第22問
企業の長期的成長のためには、既存事業の深化(exploitation)と新規事業の探索 (exploration)のバランスを取る経営が重要だと言われている。C.A.オライリー (C. A. O’Reilly)とM.L.タッシュマン(M. L. Tushman)は、この深化と探索を両立 する組織能力を両利き(ambidexterity)と名づけた。 両利きの経営を実践するための組織に関する記述として、最も適切なものはどれ か。
- ア 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットが経営理念を共有し、公平性を確保 するために、共通の事業評価基準を構築する必要がある。
- イ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットのオペレーションを効率的に管理す るために、機能横断的なチームを設計する必要がある。
- ウ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離しつつ、異なる文化が 生まれないようにするため、ビジョンを共有する必要がある。
- エ 既存事業ユニットと新規事業探索ユニットを構造上分離し、探索ユニットに独 立性を与えるとともに、全社的な資産や組織能力にアクセスする権限を与える必 要がある。
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正解:エ
解答:エ
オライリー=タッシュマンの「両利きの経営」では、深化(exploitation)と探索(exploration)を担う組織を構造的に分離(structural ambidexterity)しつつ、上位のビジョン・経営理念を共有し、かつ探索ユニットには独立性を与えながら全社資産・組織能力へのアクセスを保証することが要諦とされる。
- ア(×):深化と探索は性質が異なり、評価指標も別であるべき。「共通の事業評価基準」を構築すると探索ユニットが既存事業の短期収益基準で測られ機能不全に陥る。不適切。
- イ(×):機能横断的チームの設計は深化(既存オペレーション効率化)の文脈であり、両利きの経営の本質である探索ユニットの分離・独立性に触れていない。不適切。
- ウ(×):構造分離は行うが「異なる文化が生まれないように」は誤り。深化と探索では適合する文化が異なり、別個の文化を許容しつつ上位ビジョンで統合するのが正しい。
- エ(○):構造上分離し探索ユニットに独立性を与えつつ、全社的な資産・組織能力へのアクセス権限を与える、という両利きの経営の中核を正確に述べている。
よって エ。