第18問
オーバー・ツーリズムによる地域住民の生活への悪影響に対して、政府が税を 使って対処することの効果を考える。下図において、D はこの地域の観光資源に 対する需要曲線、S は観光業者の私的限界費用曲線、S’ はオーバー・ツーリズムに 伴う限界外部費用を含めた観光業者の社会的限界費用曲線である。 この図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選 べ。 a 課税によって、観光客の余剰は四角形BCJG だけ減少する。 b 課税によって、観光業者の余剰は四角形EFHG だけ減少する。 c 課税によって、この地域の総余剰は三角形GJI だけ増加する。 d 課税によって、政府は四角形EFJI の税収を得る。
- ア aとb
- イ aとc
- ウ bとc
- エ bとd 数量 S' D S 価格 I H J G A B C E F
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正解:イ
解答:イ
負の外部性(オーバー・ツーリズム)がある市場。私的限界費用Sのもとでの市場均衡はD∩S=点J(価格C・数量大)で、社会的に過剰な水準。限界外部費用に等しいピグー税を課すと、観光業者の負担曲線が実質的にS’(社会的限界費用)へ移り、新均衡はD∩S’=点G(価格B・数量小)となり、社会的に最適な水準に近づく。
- a(○):課税で観光客(消費者)が支払う価格がCからBへ上昇し数量も減るため、消費者余剰は四角形BCJGだけ減少する。正しい。
- b(×):観光業者の余剰の減少分はEFHGとは対応しない。生産者余剰の変化は供給曲線Sと価格水準で測るべきで、記述の四角形は税収・外部費用の領域と取り違えており誤り。
- c(○):課税前は過剰消費による外部費用で死荷重が生じていた。課税で最適水準に近づくことで、外部費用を含めた地域の総余剰は三角形GJIだけ増加する。正しい。
- d(×):税収は「1単位当たり税額×課税後の取引量(点Gの数量)」で測る四角形であり、四角形EFJIは課税前の取引量で測っているため対応する数量が誤り。
正しいのはaとc。
よって イ。