第4問
民法においては、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び 遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をする「限定承認」が定められている。 この限定承認に関する記述として、最も適切なものはどれか。 なお、本問においては、法定単純承認事由は発生しておらず、また、相続放棄 者、相続廃除者、相続欠格者はおらず、遺産分割協議は成立していないものとする。
- ア 限定承認者は、限定承認に関する公告期間の満了前であっても、主要な相続債 権者及び遺贈者に対しては一切弁済を拒むことはできず、これらの者から請求が あれば、相続財産を超える部分についても、その全額を弁済しなければならない。
- イ 限定承認者は、限定承認をしたあと1 年以内であれば、その理由を問わず、撤 回することができる。
- ウ 限定承認は、家庭裁判所において伸長がなされない限り、自己のために相続の 開始があったことを知った時から3 か月以内にしなければならない。
- エ 限定承認は、相続人が数人あるときであっても、共同相続人のうち一人が単独 で行わなければならず、共同相続人の全員が共同して行うことはできない。
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正解:ウ
解答:ウ
相続の限定承認に関する問題。熟慮期間・撤回禁止・共同行使がポイント。
- ア(×):限定承認者は、公告期間(2か月以上)満了前は弁済を拒むことができる(民法928条)。また限定承認は相続財産の限度でのみ責任を負うもので、超過部分の全額弁済義務はない。
- イ(×):相続の承認・放棄は、熟慮期間内であっても撤回することができない(919条1項)。
- ウ(○):限定承認は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月(熟慮期間)以内にしなければならない(915条1項、924条)。家庭裁判所による期間伸長が可能(915条1項ただし書)。
- エ(×):相続人が数人あるときは、限定承認は共同相続人の全員が共同してのみ行うことができる(923条)。単独ではできない。
よって ウ。