経済学・経済政策 H27年度 第8問

第8問

中央銀行は、名目貨幣量を拡大させる金融緩和政策を実施することがある。この 名目貨幣量拡大により、総需要が増加することで、名目賃金率と物価が上昇し始め ると、企業側は総供給を増やそうとする。このときの労働者側の短期における行動 について、自然失業率仮説の記述として最も適切なものはどれか。

  1. 物価上昇は認識せず、名目賃金率上昇のみを認識するため、労働供給量を増や す。
  2. 名目賃金率上昇と物価上昇をともに認識し、労働供給量を増やす。
  3. 名目賃金率上昇と物価上昇をともに認識せず、労働供給量を変えない。
  4. 名目賃金率上昇は認識せず、物価上昇のみを認識するため、労働供給量を減ら す。
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正解:

解答:ア

フリードマンの自然失業率仮説における労働者の「貨幣錯覚」を問う問題。金融緩和で名目賃金率と物価がともに上昇し始めるとき、短期では労働者は物価上昇をすぐには認識できず、名目賃金の上昇を実質賃金の上昇と誤認する(貨幣錯覚)。その結果、労働供給を増やし、短期的に産出・雇用が増えて失業率が自然失業率を下回る。

  • ア(○):物価上昇は認識せず名目賃金率上昇のみを認識するため、実質賃金が上がったと錯覚して労働供給量を増やす。自然失業率仮説の短期の説明として正しい。
  • イ(×):名目賃金上昇と物価上昇をともに認識すれば実質賃金は不変と分かるので、労働供給は増やさないはず。短期の貨幣錯覚の前提と矛盾する。
  • ウ(×):両方とも認識しないなら実質賃金の判断材料がなく、労働供給を増やす積極的理由がない。仮説が想定する反応(供給増)と合わない。
  • エ(×):物価上昇のみ認識して名目賃金上昇を認識しないなら、実質賃金が下がったと考え労働供給を減らすことになり、緩和が産出を増やす短期メカニズムと逆になる。誤り。

よって

#フィリップス曲線・失業

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