第16問
企業において、経営者はすべての側面で平等に個人を処遇することはできず、差 異を正当に評価する必要がある。この正当性は、一般的に広く認められた公平なル ールによって担保されるが、とくに企業で広く利用されるルールのことを、組織的 公正と呼ぶ。組織的公正に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- ア 意思決定の諸ルールに基づき、定められた役割の人が成果の分配にかかわる意 思決定にあたる。
- イ 個人が置かれた境遇に基づき、社会的な必要性に応じて成果を分配する。
- ウ 仕事の客観的便益ではなく、生来の能力や外的環境に左右されない、努力に応 じた処遇を行う。
- エ 成果の分配を一律平等にするために、個人属性を不問にする。
- オ 組織や社会に対して個人が提供した客観的便益の対価として成果を分配する。
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正解:エ
解答:エ
〔リード〕組織的公正は、分配の基準(衡平=貢献に応じた分配、平等=一律分配、必要性=必要に応じた分配)に関わる「分配的公正」と、決定の手続の公正さに関わる「手続的公正」からなる。企業で広く用いられるのは貢献・努力に応じた処遇(衡平原理)であり、個人の差異を正当に評価することがテーマ。「最も不適切」を選ぶ。
- ア(○):定められたルールに基づき、決められた役割の人が分配の意思決定にあたる、という手続的公正の説明。適切。
- イ(○):個人の境遇・社会的必要性に応じて分配する「必要性の原理」。分配的公正の一類型として妥当。
- ウ(○):生来の能力や外的環境に左右されず、努力に応じて処遇する「衡平(努力)原理」。差異を正当に評価する考え方として適切。
- エ(×):本問は「差異を正当に評価する」組織的公正がテーマであり、「成果の分配を一律平等にし個人属性を不問にする」平等原理は、個人差を評価しない点で本文の趣旨(差異の正当な評価)に最も適合しない。よって最も不適切。
- オ(○):個人が組織・社会に提供した客観的便益の対価として分配する「衡平(貢献)原理」。適切。
よって エ。