中小企業経営・中小企業政策 H26年度 第8問

第8問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 グローバル競争が激化する中で、わが国製造業の競争力の低下が懸念されてい る。とりわけ近年では、新興国企業に対して圧倒的な優位性を有してきた技術力に ついても、研究開発投資の停滞、海外への技術流出、新規設備投資の減少に伴う ① 設 備老朽化等を背景に、その優位性が揺らいでいる。 技術の源泉である研究開発は民間企業が中心的な役割を担っている。わが国の企 業部門の研究開発費の推移を見ると ② 対GDP 比では高水準にある。しかしながら ③ 企 業部門の研究開発費の実額推移を見ると、中国、韓国が大幅に増加しているのに対 して、わが国の研究開発費の伸び率は米国やドイツ等の主要国と比較しても低水準 で推移している。経済産業省が行った今後年間の研究開発投資の見通しに関する 調査)2012 年12 月½等を見ても、全体的に研究開発投資を据え置く企業が多く、引 き続き研究開発の量的な停滞が懸念される状況である。 DKJC-1G 8 )

設問1

½ 文中の下線部①について、内閣府「民間企業資本ストック」「国富調査」に基づ き、1990 年から2012 年までの期間について、わが国製造業の生産設備の平均年 齢)ビンテージ½を業種別で見た場合、高いものから低いものへと並べた組み合わ せとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 a 化学 b 鉄鋼 c 輸送機械 V解答群X

  1. a 化学 安 b 鉄鋼 安 c 輸送機械
  2. a 化学 安 c 輸送機械 安 b 鉄鋼
  3. b 鉄鋼 安 a 化学 安 c 輸送機械
  4. b 鉄鋼 安 c 輸送機械 安 a 化学
  5. c 輸送機械 安 a 化学 安 b 鉄鋼 )

設問2

½ 文中の下線部②について、科学技術政策研究所)現科学技術・学術政策研究所½ 「科学技術指標2012」に基づき、1995 年から2011 年までの期間について、わが国 の企業部門の研究開発費の対GDP 比の推移を国際比較した場合、最も不適切な ものはどれか。

  1. 韓国を一貫して上回っている。
  2. 中国を一貫して上回っている。
  3. ドイツを一貫して上回っている。
  4. 米国を一貫して上回っている。 DKJC-1G )

設問3

½ 文中の下線部③について、科学技術政策研究所)現科学技術・学術政策研究所½ 「科学技術指標2012」に基づき、2002 年度から2010 年度までの期間について、わ が国製造業の研究開発費の推移を見た場合、最も適切なものはどれか。

  1. 製造業全体に占める業種別の研究開発費の割合を直近時点で見た場合、医薬 品製造業の割合が最も高い。
  2. 製造業全体に占める業種別の研究開発費の割合を直近時点で見た場合、輸送 用機械製造業の割合が最も高い。
  3. 製造業全体の研究開発費は2005 年度以降減少に転じている。
  4. 製造業全体の研究開発費は2007 年度以降増加に転じている。
  5. 製造業全体の研究開発費は20 兆円前後で推移している。 DKJC-1G
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正解: 設問1 設問2 設問3

解答:設問1=ウ、設問2=ア、設問3=イ

設問1

生産設備の平均年齢(ビンテージ)を業種別に高い順に並べる。設備投資が停滞した業種ほど設備が老朽化しビンテージが高くなる。鉄鋼は大型設備の更新が進まずビンテージが高く、次いで化学、輸送機械の順となる(輸送機械は設備更新が比較的活発で最も低い)。a化学・b鉄鋼・c輸送機械を高い順に並べる。

  • ア(×):化学>鉄鋼>輸送機械。最も高いはずの鉄鋼が化学より下位で誤り。
  • イ(×):化学>輸送機械>鉄鋼。鉄鋼が最下位となり誤り。
  • ウ(○):鉄鋼>化学>輸送機械。設備老朽化の進む鉄鋼が最も高く、更新の進む輸送機械が最も低い実態に整合する。
  • エ(×):鉄鋼>輸送機械>化学。化学が最下位となり順序が誤り。
  • オ(×):輸送機械>化学>鉄鋼。最も低いはずの輸送機械が最上位で誤り。

よって

設問2

わが国企業部門の研究開発費の対GDP比の国際比較について「最も不適切なもの」を問う。日本の対GDP比は高水準にあるが、近年は韓国が急上昇し、ある時期以降は韓国に抜かれている。

  • ア(○=最も不適切):「韓国を一貫して上回っている」は誤り。韓国の研究開発費対GDP比は急伸し、日本を上回る時期があるため、一貫して上回るとはいえない。これが正解。
  • イ(×・適切):中国を一貫して上回っている点は事実に整合する。
  • ウ(×・適切):ドイツを上回って推移している点は整合する。
  • エ(×・適切):米国を上回って推移している点は整合する。

よって、最も不適切なものは

設問3

2002〜2010年度のわが国製造業の研究開発費の推移について「最も適切なもの」を問う。直近時点で業種別の研究開発費割合が最も高いのは輸送用機械製造業である。

  • ア(×):直近で最も高いのは医薬品製造業ではなく輸送用機械製造業であり誤り。
  • イ(○):直近時点で製造業全体に占める研究開発費割合が最も高いのは輸送用機械製造業であり、実態に整合する。
  • ウ(×):製造業全体の研究開発費が2005年度以降減少に転じたとはいえない。
  • エ(×):2007年度以降増加に転じたという推移とは整合しない。
  • オ(×):製造業全体の研究開発費は20兆円前後ではなく、それより小さい水準で推移しており誤り。

よって

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