第10問
実質貨幣鋳造収入は、実質貨幣残高と期待インフレ率の積に相当する。期待イン フレ率の変化が実質貨幣鋳造収入に与える影響に関する記述として、最も適切なも のの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a 期待インフレ率の上昇は、実質貨幣残高 単位あたりの実質貨幣鋳造収入を引 き上げる。 b 期待インフレ率の上昇は、実質貨幣残高 単位あたりの実質貨幣鋳造収入を引 き下げる。 c 期待インフレ率の上昇は、名目金利を上昇させ、実質貨幣需要が増加する。そ のため、実質貨幣残高が増加し、実質貨幣鋳造収入を引き上げる。 d 期待インフレ率の上昇は、名目金利を上昇させ、実質貨幣需要が減少する。そ のため、実質貨幣残高が減少し、実質貨幣鋳造収入を引き下げる。 V解答群X
- ア aとc
- イ aとd
- ウ bとc
- エ bとd DKJC-1A
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正解:イ
解答:イ
〔実質貨幣鋳造収入(実質シニョリッジ)= 実質貨幣残高 × 期待インフレ率。期待インフレ率の上昇は二つの相反する経路で作用する。①インフレ税率(期待インフレ率)そのものが上がる効果、②名目金利上昇により貨幣保有のコストが上がり、実質貨幣需要(=課税ベース)が縮小する効果。〕
- a(○):実質貨幣鋳造収入は「実質貨幣残高1単位あたり期待インフレ率」を課税率とみなせる。期待インフレ率が上がれば、実質貨幣残高1単位あたりの鋳造収入(インフレ税率)は引き上げられる。
- b(×):aと逆で誤り。1単位あたりの鋳造収入は引き下げられない。
- c(×):期待インフレ率上昇は名目金利を上昇させるが、貨幣保有の機会費用が高まるため実質貨幣需要は減少する。「実質貨幣需要が増加し、実質貨幣残高が増加」は誤り。
- d(○):期待インフレ率上昇 → 名目金利上昇 → 実質貨幣需要が減少 → 実質貨幣残高(課税ベース)が減少 → その経路では実質貨幣鋳造収入を引き下げる。正しい。
したがって aとd。
- ア(×):cが誤り。
- イ(○):aとdで正しい。
- ウ(×):b・cともに誤り。
- エ(×):bが誤り。
よって イ。