第5問
労働のみを用いて生産を行っている企業を考える。この企業が生産物 単位を生 産するのに必要な労働量は一定であり、生産物価格と名目賃金率に基づいて利潤が 最大になるように生産量を決定する。他方、労働者は、実質賃金率の水準に応じ て、労働供給量を決定する。縦軸に物価水準を、横軸に生産量をとり、これら企業 と労働者の行動から導き出された総供給曲線を描くとき、その形状として、最も適 切なものはどれか。
- ア 垂直
- イ 水平
- ウ 右上がり
- エ 右下がり DKJC-1A
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正解:ア
解答:ア
〔企業は生産物価格Pと名目賃金率Wに基づき利潤最大化で生産量を決める。労働1単位あたりの生産量が一定(労働投入係数一定=労働の限界生産物が一定)の技術のもとでは、利潤最大化条件は「実質賃金率W/P=労働の限界生産物(一定)」となる。一方、労働者は実質賃金率W/Pに応じて労働供給を決める。
需給双方が実質賃金率W/Pのみに依存して決まるため、均衡実質賃金率は物価水準Pの値とは独立に一意に定まり、結果として均衡雇用量・均衡生産量も物価水準に依存せず一定となる。これは古典派型の総供給曲線であり、縦軸に物価、横軸に生産量をとると垂直になる。〕
- ア(○):実質賃金率W/Pだけで雇用量・生産量が決まり、物価水準が変わっても生産量は不変なので、総供給曲線は垂直。
- イ(×):水平の総供給曲線は、価格・名目賃金が硬直的なケインズ型の極端な想定で、本問の設定とは異なる。
- ウ(×):右上がりは名目賃金が硬直的で物価上昇により実質賃金が下がり雇用が増える短期ケインズ型。本問は実質賃金で供給決定するため当てはまらない。
- エ(×):総供給曲線が右下がりになることは通常ない。
よって ア。