第1問
経営計画の策定と実行について留意すべき点に関する記述として、最も適切なも のはどれか。
- ア 経営計画策定時に用いられる業績に関する定量的なデータを収集して分析する ことによって、新機軸の戦略を構築することができる。
- イ 経営計画になかった機会や脅威から生まれてくる新規な戦略要素を取り入れて いくには、計画遂行プロセスで学習が起こることが重要になる。
- ウ 経営計画に盛り込まれた戦略ビジョンは、予算計画や下位レベルのアクショ ン・プランと連動させるとコントロール指針として機能するようになり、戦略行 動の柔軟性を失わせる。
- エ 経営計画の策定に際して、将来の様々な場合を想定した複数のシナリオを描い て分析することによって、起こりそうな未来を確定することができる。
- オ 経営計画の進行を本社の計画部門と事業部門が双方向的にコントロールするこ とは、事業の機会や脅威の発見には無効であるが、部門間の齟 そ 齬 ご を把握するには 有効である。 DKJC-1C
▼ 解答・解説を見る
正解:イ
解答:イ
経営計画は事前に完全に作り込めるものではなく、遂行過程で生じる予期せぬ機会・脅威に対して「創発的(emergent)」に学習しながら戦略を修正していくことが重要である、という点が問われている。
- ア(×):過去の定量データの収集・分析は現状の延長線上の改善には役立つが、それ自体から「新機軸の戦略」が自動的に構築できるわけではない。新機軸には経営者の構想力や非定量的な洞察が不可欠であり、言い過ぎ。
- イ(○):計画に織り込めなかった新規の機会・脅威から生まれる戦略要素を取り込むには、計画遂行プロセスでの学習(創発的戦略)が重要になる。記述は適切。
- ウ(×):戦略ビジョンを予算計画や下位のアクション・プランと連動させることはコントロール指針として機能するが、それが直ちに「戦略行動の柔軟性を失わせる」とは言えない。連動と柔軟性は両立しうるため不適切。
- エ(×):複数シナリオの分析は不確実な将来への備えを多様化するための手法であり、「起こりそうな未来を確定」できるわけではない。シナリオ・プランニングの目的を取り違えている。
- オ(×):本社計画部門と事業部門が双方向にコントロールするインタラクティブ・コントロールは、まさに事業の機会や脅威の発見に有効である。「無効」とする点が誤り。
よって イ。