経済学・経済政策 H22年度 第10問

第10問

下図は、最低賃金制度や農産物の価格支持政策のような価格の下限規制を描いた ものである。 完全競争市場における均衡は、需要曲線D0D1と供給曲線S0S1の交点E で実現 し、均衡価格はP0、均衡量はQ0である。ここで、均衡価格より高いP1の水準で 価格の下限が規制されたとする。このとき、取引量はQ1に減少する。 この図の説明として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。

第10問の図
  1. 価格の下限が規制された場合でもパレート最適が実現する。
  2. 価格の下限規制により、経済余剰の損失は三角形EFG になる。
  3. 価格の下限規制により、消費者余剰は減少し、三角形D0GP1に相当する。
  4. 価格の下限規制のもとでは、生産者余剰は台形S0FGP1に等しくなる。 ― 14― ◇M1(295―16)
▼ 解答・解説を見る

正解:

解答:ア(最も不適切なもの)

〔リード〕完全競争均衡は需要曲線と供給曲線の交点E(価格P₀、数量Q₀)で総余剰が最大=パレート最適。価格下限P₁(>P₀)が課されると取引量はQ₁(<Q₀)に減少し、E点で実現していた取引機会の一部が失われて死荷重(経済余剰の損失)が発生する。設問は「最も不適切なもの」を選ぶ点に注意。

  • ア(○=最も不適切。これが正解):価格下限規制では取引量がQ₁に減り死荷重が生じるため、パレート最適は実現しない。「パレート最適が実現する」は誤りであり、最も不適切な記述。
  • イ(×=適切):規制で失われる経済余剰(死荷重)は、規制後の取引量Q₁から均衡点Eにかけての三角形EFGに相当する。適切。
  • ウ(×=適切):価格がP₁に上昇し取引量も減るため消費者余剰は減少し、三角形D₀GP₁となる。適切。
  • エ(×=適切):生産者余剰は価格上昇分を取り込み、台形S₀FGP₁に等しくなる。適切。

設問は最も不適切なものを選ぶので、が正解。

よって

#需要・供給と弾力性#余剰分析・厚生

← 経済学・経済政策の一覧へ戻る