第7問
不完全競争市場における多くの企業は、標準的な平均費用に一定の比率を乗じた 上で価格を設定している。いま、生産費用が労働に対する報酬のみであるとした場 合、次の式が成り立つ。 P =(+m)WL Y ここで、P は価格、m はマークアップ率、W は労働単位当たりの名目賃金、L は雇用量、Y は生産量である。また、ここでは限界生産物が逓減する生産関数を仮 定する。 マークアップ率に基づく価格形成に関する説明として、最も適切なものの組み合 わせを下記の解答群から選べ。 a 生産量が増加するにつれて、労働に関する平均生産物が上昇するために価格は 下落する。 b 生産量が増加するにつれて、労働に関する平均生産物が低下するために価格は 上昇する。 c 需要の価格弾力性が大きい財ほど、マークアップ率を高くし、企業は収入の増 加を図る。 d 需要の価格弾力性が大きい財ほど、マークアップ率を低くし、企業は収入の増 加を図る。
- ア aとc
- イ aとd
- ウ bとc
- エ bとd ― 11― ◇M1(295―13)
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正解:エ
解答:エ
〔リード〕価格式 P=(1+m)WL/Y において、WL/Y は単位労働コスト=(名目賃金)÷(労働の平均生産物 Y/L)。限界生産物逓減のもとで生産量Yが増えると労働の平均生産物 Y/L は低下し、WL/Y は上昇する。またマークアップ率は m=1/(ε-1)(εは需要の価格弾力性)で、弾力性が大きいほどマークアップ率は低くなる。
- a(誤):生産量が増えると平均生産物は「低下」する(逓減)。「上昇するために価格下落」は誤り。
- b(正):生産量増加で平均生産物が低下し、単位労働コスト WL/Y が上がるため価格は上昇する。正しい。
- c(誤):需要の価格弾力性が大きい財ほどマークアップ率は「低く」せざるを得ない。「高くする」は誤り。
- d(正):弾力性が大きい財ほどマークアップ率を低くして収入増を図る。マークアップ率と弾力性は逆関係。正しい。
正しい組み合わせはbとd。
よって エ。