第2問
貯蓄に関する下記の設問に答えよ。 (
設問1
) 下図のA~Eは、日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデン、デンマーク各国の 貯蓄率(世帯別に見た家計貯蓄率)の推移を表したものである。その中で、日本に 当てはまるものはどれか。最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- ア A
- イ B
- ウ C
- エ D
- オ E ― 2― ◇M1(295―4) (
設問2
) 個々の家計において、収入のうち、どの程度を消費に回し、どの程度を貯蓄に 回すかは、下図に示される「現在の消費」と「将来の消費」に関する無差別曲線と予 算制約式によって決定される。無差別曲線の位置・形状の変化を通じて貯蓄額に 影響を与えることを示す最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- ア 家族の構成員が新たに働くことによって収入が上がり、貯蓄額が上昇する。
- イ 定年退職して収入が下がり、貯蓄額が低下する。
- ウ 利子率が低下することで、貯蓄の魅力が低下し、貯蓄額が下がる。
- エ 老後の生活への不安が高まり、貯蓄額が上昇する。 ― 3― ◇M1(295―5)
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正解: 設問1 ア 設問2 エ
解答:設問1=ア、設問2=エ
設問1(正解:ア)
〔リード〕家計貯蓄率の国際比較では、かつて高水準だった日本の家計貯蓄率が、高齢化の進展などを背景に1990年代以降一貫して大きく低下し、欧米諸国の中でもとりわけ顕著な低下を示した点が特徴である。当初は高い水準にありながら、推移の中で大幅に低下していく曲線が日本に当てはまる。
- ア(○):かつて高い貯蓄率を示しながら、その後大きく低下していく推移を示す曲線が日本に当てはまる。高齢化による取り崩しで貯蓄率が低下したという実勢に整合する。
- イ〜オ(×):他国(アメリカ・ドイツ・スウェーデン・デンマーク)は、日本ほど高水準からの急低下というパターンを示さず、日本の特徴的な推移には当てはまらない。
設問2(正解:エ)
〔リード〕設問は「無差別曲線の位置・形状の変化を通じて」貯蓄額に影響する例を問う。予算制約(収入や利子率)の変化ではなく、選好(時間選好=現在消費と将来消費の重みづけ)の変化により無差別曲線そのものの形状・位置が変わるものを選ぶ。
- ア(×):収入が上がるのは予算制約線のシフト(所得増)であり、無差別曲線の変化ではない。
- イ(×):収入低下も予算制約線のシフトであって、無差別曲線の形状・位置の変化ではない。
- ウ(×):利子率の低下は予算制約線の傾き(現在消費と将来消費の相対価格)の変化であり、無差別曲線の変化ではない。
- エ(○):老後不安の高まりは将来消費を相対的に重視する選好の変化であり、無差別曲線の位置・形状が変化して貯蓄額が増える。設問の条件に合致する。
よって設問1は ア、設問2は エ。