第19問
企業は、ある研究開発プロジェクトに関し、本格的な投資の意思決定の時期を遅 らせ、プロジェクトの進捗状況などの不確実性が軽減された段階で、意思決定を行 うケースがある。このケースでは、行おうとしていた投資のリターンが予想された ほど高くないと判明した場合、投資を差し控えることができる。すなわち、ダウン サイドのリスクをゼロにして、アップサイドの利益だけを享受できる。このような 考え方を表す言葉として最も適切なものはどれか。
- ア 機会主義
- イ ヘッジ
- ウ リアルオプション
- エ リスクシェア ― 23― ◇M1(557―25)
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正解:ウ
解答:ウ
〔リード〕投資の意思決定を先送りし、不確実性が軽減された段階で「投資するか否か」を選べる柔軟性に価値を見出す考え方を選ぶ。設問の「ダウンサイドのリスクをゼロにして、アップサイドの利益だけを享受できる」はまさに金融オプション(コールオプション)のペイオフ構造を実物投資に応用した概念であり、「リアルオプション」を指す。
- ア(×):機会主義。情報の非対称性を利用して自己の利益を図る行動(取引費用理論で用いられる)で、本問の主旨とは異なる。
- イ(×):ヘッジ。先物などを用いて価格変動リスクを相殺・回避する手法で、投資を先送りして柔軟性を得る考え方ではない。
- ウ(○):リアルオプション。投資のタイミングや撤退・拡張などの選択権(オプション)に価値を認める考え方で、設問の説明に合致する。
- エ(×):リスクシェア。リスクを複数の主体で分担することで、投資延期による柔軟性の概念とは異なる。
よって正解は ウ。