第16問
不景気になると、規模の経済性を獲得するための水平的な企業合併が盛んになる ことが予想される。独占禁止法に照らして、水平的な企業合併が認められる際の判 断基準となるのが、競争を実質的に制限することになるかどうかである。これに関 連し、独占の程度に関する指標としてハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI) がある。各企業の市場占有率を小数点以下の数値(例えば、0.2)で表すと、HHI の とりうる範囲はからの間の数値となる。このHHI に関する記述として最も適 切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a HHI は、当該業界のすべての企業の市場占有率の乗和で表される。 b HHI は、当該業界の上位社の市場占有率の乗和で表される。 c 独占状態に近ければ近いほど、HHI の値はに近づく。 d 独占状態に近ければ近いほど、HHI の値はに近づく。
- ア aとc
- イ aとd
- ウ bとc
- エ bとd ― 19― ◇M1(557―21)
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正解:ア
解答:ア
〔リード〕ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI)は、当該業界のすべての企業の市場占有率を二乗して合計した値である。市場占有率を小数(例:0.2)で表すと、HHIのとりうる範囲は0(完全競争に近い)から1(完全独占)の間となる。完全独占では1社の占有率が1なので、HHI = 1² = 1 となる。
- a(○):HHIは当該業界のすべての企業の市場占有率の二乗和で表される。定義どおりで正しい。
- b(×):「上位数社のみ」の二乗和ではなく、全企業を対象とする。上位N社だけを対象とするのは累積集中度(CRn)の考え方であり、HHIとは異なる。誤り。
- c(○):占有率を小数で表す場合、独占状態に近いほど(1社の占有率が1に近づくほど)HHIは1に近づく。正しい。
- d(×):独占に近いほどHHIは1に近づくのであって、0に近づくのは多数の企業が分散して競争する場合である。誤り。
正しいのはaとc。よって正解は ア。