経済学・経済政策 H21年度 第15問

第15問

サブプライムローンを組み込んだ金融商品は、そのリスクが十分に認識されない まま、高いリターンを生むものとして積極的に販売された。販売する側にとって、 リスク性の認識にかかわらず売れる商品を積極的に販売することは合理的な選択で あった。しかし、そのような金融商品の販売量が増大して、リスクが経済全体に蓄 積していることがひとたび認識されるようになると、経済全体に大きな悪影響を与 えるようになった。このように、ミクロ(企業行動)の視点では正しいとしても、そ れがマクロ(集計量)の世界では意図しない結果が生じることを表す言葉として最も 適切なものはどれか。

  1. 合成の誤謬
  2. 合理的期待形成
  3. シグナリング効果
  4. スピルオーバー効果 ― 18― ◇M1(557―20)
▼ 解答・解説を見る

正解:

解答:ア

〔リード〕個々の経済主体にとって合理的・正しい行動が、それを全体で集計すると意図しない(望ましくない)結果を生むことを指す概念を選ぶ。ミクロでは正しくてもマクロでは正しくない、というのが「合成の誤謬」である。

  • ア(○):合成の誤謬。ミクロ(企業行動)では合理的な販売行動が、マクロ(集計量)ではリスクの蓄積という意図しない結果を生む、という設問の趣旨にまさに合致する。
  • イ(×):合理的期待形成。経済主体が利用可能な情報を合理的に用いて将来を予想するという仮説で、本問の主旨とは異なる。
  • ウ(×):シグナリング効果。情報の非対称性のもとで、情報を持つ側が自らの属性を相手に伝える行動(学歴シグナルなど)であり無関係。
  • エ(×):スピルオーバー効果。ある経済活動が市場を介さず外部に波及する効果(技術の波及など)で、本問の主旨とは異なる。

よって正解は

#情報の経済学・行動経済学

← 経済学・経済政策の一覧へ戻る