経済学・経済政策 H21年度 第2問

第2問

下図は、世界の輸出市場に参加する労働力人口を表したものである。この図によ れば、新興工業国の経済発展とともに、世界の輸出に関わる労働力人口は、25年 間で約倍の伸びを示している。しかし、このうち、日本への輸出に関わる労働力 人口の増加は約倍の伸びにとどまっている。このため、少子化が加速する日本国 内では、グローバル化の効果を活用していないことが指摘される。 下図と関連して、次の文章中の空欄AおよびBに入る最も適切なものの組み合わ せを下記の解答群から選べ。 少子化が加速し、労働が相対的に希少な日本では、グローバル化の効果として A が生じ、それに伴い、国内においては B 圧力が掛かると考えら れる。

第2問の図
  1. A:労働集約財の輸出拡大 B:賃金の引き上げ
  2. A:労働集約財の輸出拡大 B:賃金の引き下げ
  3. A:労働集約財の輸入拡大 B:賃金の引き上げ
  4. A:労働集約財の輸入拡大 B:賃金の引き下げ ― 2― ◇M1(557―4)
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正解:

解答:エ

〔リード〕ヘクシャー=オリーンの定理とストルパー=サミュエルソンの定理から考える。各国は自国に相対的に豊富な生産要素を集約的に用いる財に比較優位を持ち、これを輸出し、相対的に希少な要素を集約的に用いる財を輸入する。

少子化が進む日本は「労働が相対的に希少」な国である。

  • 空欄A(労働集約財の輸入拡大):労働が希少な日本は、労働を多く使う労働集約財の生産には不利で、これを海外(労働豊富な新興国)から輸入することになる。よってAには「労働集約財の輸入拡大」が入る。「輸出拡大」は労働豊富国に当てはまる説明であり誤り。
  • 空欄B(賃金の引き下げ):ストルパー=サミュエルソンの定理より、労働集約財の輸入が拡大すると国内の労働集約財価格が低下し、その財に集約的に用いられる生産要素=労働の報酬(賃金)が低下する。よってBには「賃金の引き下げ」圧力が入る。

各選択肢の正誤:

  • ア(×):A「輸出拡大」が誤り。
  • イ(×):A「輸出拡大」が誤り。
  • ウ(×):B「引き上げ」が誤り。
  • エ(○):A「輸入拡大」・B「引き下げ」がともに正しい。

よって正解は

#国際貿易理論

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