第12問
原油価格の高騰が起きれば、ガソリンスタンドはガソリン価格の引き上げを余儀 なくされる。一方で、ガソリン価格の高騰は買い控えなどによる顧客離れを引き起 こしかねない。そこで、ガソリンスタンドでは価格をどのような水準に設定するか が重要となる。この点を踏まえて、下記の設問に答えよ。 (
設問1
) ドル建ての原油価格が上昇しても、ガソリンの円建ての小売価格への影響を小 さくする要因の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 a 円高 b 円安 c 低い需要の価格弾力性 d 高い需要の価格弾力性
- ア aとc
- イ aとd
- ウ bとc
- エ bとd (
設問2
) あるガソリンスタンドが、周りの競合店よりも極端に低い価格を付け、競合店 を市場から排除した後に独占的な地位を得ようとする可能性が指摘できる。この ような価格戦略を表す言葉として最も適切なものはどれか。
- ア 限界価格設定
- イ フルコスト・プライシング
- ウ ラムゼイ価格
- エ 略奪的価格設定 ― 15― ◇M1(743―17)
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正解: 設問1 イ 設問2 エ
解答:設問1=イ、設問2=エ
〔リード〕為替と価格転嫁、および価格戦略の用語を問う。
設問1(円建て小売価格への影響を小さくする要因)
ドル建て原油価格上昇が円建て小売価格に与える影響を抑える要因を選ぶ。注:選択肢ア=aとc、イ=aとd…ではなく、本問の解答群は「aとc」「aとd」「bとc」「bとd」の順でア・イ・ウ・エに対応し、公式正解は イ(aとd) だが、設問の論理に沿って各記述の妥当性を確認する。
- a=円高(○):円高はドル建て価格の上昇を円換算で相殺し、円建ての輸入コスト・小売価格の上昇を抑える。緩和要因として妥当。
- b=円安(×):円安はドル建て上昇をさらに増幅し、円建て価格をより押し上げる。緩和要因にならない。
- c=低い需要の価格弾力性(×・緩和要因ではない):弾力性が低いと値上げしても需要が減りにくいため、業者はコスト上昇を価格へ転嫁しやすい。小売価格への影響はむしろ大きくなる。
- d=高い需要の価格弾力性(○):弾力性が高いと値上げで需要が大きく逃げるため、業者は転嫁を抑え価格据え置きの圧力が働く。結果として小売価格への影響は小さくなる。
緩和要因として正しいのは a と d →イ。
設問2(競合排除後に独占を狙う極端な低価格戦略)
- ア(×):限界価格設定は限界費用に基づく価格づけで、排除目的の戦略ではない。
- イ(×):フルコスト・プライシングは平均費用+一定マージンで価格を決める手法。該当しない。
- ウ(×):ラムゼイ価格は規制下で効率性を確保する次善の価格設定。該当しない。
- エ(○):競合店を市場から追い出すために原価割れ等の極端な低価格を付け、排除後に独占的地位を得て高価格を回復する戦略は「略奪的価格設定(predatory pricing)」。正しい。
よって 設問1=イ、設問2=エ。