第12問
A社は、平成18年月にA社の従業員B が職務上創作した動物キャラクター「ぽ かぽかうさぎ」について、これを商品化し、名称「ぽかぽかうさぎ」を付したキャラ クター商品として平成19年度秋頃から日本国内で販売することを企画している。 最も適切なものはどれか。
- ア A社が、動物キャラクター「ぽかぽかうさぎ」に関する権利について著作権法に 基づき保護を受けるためには、B から権利の譲渡を受け、「ぽかぽかうさぎ」に関 する権利の譲渡を受けたことについて文化庁に「著作権の移転等の登録」の手続を しなければならない。
- イ A社は、動物キャラクター「ぽかぽかうさぎ」について、第三者C 社にキャラク ター商品の製造および販売の委託をする際には、C 社に対して独占的に動物キャ ラクター「ぽかぽかうさぎ」に関する著作権の使用許諾をしなければならない。
- ウ 第三者Dが指定商品を「おもちゃ、人形」とし、「ぽかぽかうさぎ」との文字から 構成される登録商標を有する場合でも、A社が動物キャラクター「ぽかぽかうさ ぎ」を立体化して作成したぬいぐるみのタグに「ぽかぽかうさぎ」というキャラク ター名称を小さく表示するのであれば、Dの商標権を侵害しない。
- エ 動物キャラクター「ぽかぽかうさぎ」と外観の類似したキャラクターが、世間に 名の知られていない、海外において出版された絵本の中に第三者E により描かれ ている事実が判明した場合にも、動物キャラクター「ぽかぽかうさぎ」創作時にB を含めたA社の従業員がこのような事実を全く知らなかったときは、キャラク ター商品の販売を中止しなくともよい。 ― 17― ◇M5(023―120)
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正解:エ
解答:エ
〔リード〕職務著作のキャラクターの商品化に関する事例。著作権は登録なしに創作と同時に発生する(無方式主義)。職務著作(著作権法15条)の要件を満たせば著作者は法人A社となる。著作権は他人の著作物に「依拠」して複製等した場合に侵害が成立し、独自創作なら侵害とならない。
- ア(×):著作権は無方式主義により創作と同時に発生し、保護を受けるために登録は不要である。また職務著作(15条)の要件を満たせば従業員Bからの権利譲渡を経ずとも著作者はA社となる。文化庁への移転登録を保護の要件とする記述は誤り。
- イ(×):第三者に商品化を委託する際、必ずしも「独占的」に著作権の使用許諾をしなければならないわけではない。非独占的な許諾も自由にでき、「独占的でなければならない」とするのは誤り。
- ウ(×):第三者Dが「おもちゃ・人形」を指定商品とする「ぽかぽかうさぎ」の登録商標を有する場合、A社がぬいぐるみ(おもちゃ・人形に該当)のタグに「ぽかぽかうさぎ」と表示すれば、たとえ小さく表示しても商標的使用に該当しDの商標権を侵害するおそれがある。「侵害しない」と断定するのは誤り。
- エ(○):著作権侵害(複製・翻案)が成立するには既存著作物への「依拠」が必要である。海外で出版された無名の絵本に外観の類似したキャラクターが存在しても、創作時にBを含むA社従業員がその存在を全く知らず依拠していなければ、独自創作として著作権侵害は成立しない。したがって販売を中止する必要はない、という記述は正しい。
よって エ。