デプスインタビューとは
デプスインタビュー(深層面接法)とは、インタビュアーと対象者が1対1で行う定性調査手法です。通常60〜90分かけて、特定のテーマについて深く掘り下げます。FGIでは語りにくいプライベートな話題(健康、金融、家庭の悩みなど)や、他者の影響を受けずに個人の本音を聴取したい場合に適しています。
デプスインタビューの技法
①ラダリング法(具体的な行動から抽象的な価値観へ段階的に掘り下げる)、②投影法(第三者の行動について語らせることで本音を引き出す)、③コラージュ法(画像を使ってイメージを表現させる)、④ライフストーリー法(人生の文脈の中で対象テーマを位置づける)など、多様な質問テクニックを組み合わせて、表層的な回答の奥にある真の動機を探ります。
FGIとの使い分け
デプスインタビューはFGIと比較して、①個人の購買プロセスを詳細にたどれる、②センシティブなテーマを扱える、③一人あたりの情報量が多い、④グループダイナミクスの影響を排除できるメリットがあります。一方、①コストと時間がかかる、②参加者同士の刺激による発想の広がりがない、③分析者のバイアスが入りやすいデメリットもあります。
オンラインデプスインタビューの普及
コロナ禍以降、オンラインでのデプスインタビューが急速に普及しました。対面に比べ①移動コストの削減、②地方・海外在住者へのアクセス、③録画・録音の容易さというメリットがあります。ただし、対象者の生活空間や非言語コミュニケーションの観察は制限されるため、テーマに応じて対面とオンラインを使い分けることが推奨されます。
具体例・事例
デプスインタビューは1対1で60〜90分かけ、特定のテーマを深く掘り下げます。
- プライベートな話題:健康やお金、家庭の悩みなど、他人の前では話しにくい本音を聞き出します。
- 購買の背景を深掘り:「なぜそれを選んだのか」を繰り返し問い、動機を明らかにします。
- 個人の体験の追跡:利用の一連の流れを順を追って語ってもらいます。ある工務店では、リフォーム経験者に一人ずつじっくり話を聞き、依頼を決めた本当の理由を把握しました。
どんなときに使う?(活用シーン)
他者の影響を避け、一人の本音や深い動機を理解したい場面に適します。
- 潜在ニーズの発見:本人も気づいていない欲求や不満を掘り起こします。
- 意思決定プロセスの理解:購入に至るまでの心の動きを順に把握します。
- センシティブな領域:グループでは語りにくいテーマを安心して聞きます。ある士業事務所では、顧問先一社ずつに困りごとを丁寧に聞き取り、サービス改善に活かしました。
よくある質問
Q. FGI(グループインタビュー)とどう使い分けますか?
A. 個人の深い本音やセンシティブな話題はデプスインタビューが適します。一方、参加者同士の意見のぶつかり合いから多様なアイデアを得たい場合はFGIが向きます。目的に応じて選ぶことが大切です。
Q. うまく本音を引き出すコツはありますか?
A. 誘導せず、相手の答えに「それはなぜですか」と掘り下げる姿勢が基本です。話しやすい雰囲気をつくり、沈黙を恐れず相手が考える時間を待つことで、表面的でない本音が出やすくなります。