この問題は本試験の過去問ではありません。当サイトが出題傾向の分析に基づいて作成したオリジナル問題です。
第12問
論点:大規模小売店舗立地法
大規模小売店舗立地法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア この法律の対象は、店舗面積の合計が基準面積以上の大規模小売店舗である。
- イ この法律の届出先および運用の主体は、経済産業大臣である。
- ウ 都道府県は、条例で、政令で定める基準面積と異なる基準面積を定めることができる。
- エ 届出をした者は、届出の日から4 カ月を経過した後でなければ、大規模小売店舗を新設してはならない。
- オ 配慮すべき事項に関する指針は、都道府県が地域の実情に応じて定める。
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正解:ウ
解答:ウ
大規模小売店舗立地法は、旧・大規模小売店舗法の「需給調整(経済的規制)」から、周辺地域の「生活環境の保持(社会的規制)」へと目的を転換した法律である。本問は、条文の階層(法律 → 政令 → 条例)と、誰が運用するのかという、この法律のもう一段深い急所を問う。
- ア(×):対象は、店舗面積の合計が基準面積を超えるものである(第2条第2項)。「以上」ではなく「超」であり、基準面積がちょうど1,000 m2 の店舗は対象に含まれない。境界の言い換えを狙う定番の誤り。
- イ(×):この法律の運用主体は都道府県および政令指定都市であり、届出もそこへ行う。経済産業大臣ではない。国が定めるのは指針(告示)までで、実際の届出の受理・意見の表明・勧告・公表はいずれも都道府県・政令指定都市が担う、という役割分担が急所である。
- ウ(○):対象を画する基準面積は政令で定められ(第3条第1項)、その政令が定める面積が1,000 m2 である。そのうえで、都道府県は条例により、政令で定める基準面積と異なる基準面積を定めることができる(第3条第2項)。「1,000 m2 は法律に直接書かれた動かない数字」ではなく、政令で定まり、条例で上書きしうるという二段構えが本肢の急所である。記述は正しい。
- エ(×):届出をした者が大規模小売店舗を新設できるのは、届出の日から8 カ月を経過した後である。したがって出店にあたっては開店の原則8 カ月前までに届出を行う必要がある。4 カ月とする本肢は期間が誤り。
- オ(×):「大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針」は、経済産業省の告示(平成19年2月1日 経済産業省告示第16号)として国が定めるものであり、都道府県が地域の実情に応じて定めるものではない。都道府県が条例で定めうるのは基準面積であって、指針そのものではない。
なお、指針が挙げる配慮事項(交通・騒音・廃棄物・街並みづくり等)は、いずれも周辺の生活環境にかかわる事項であって、売場面積や営業時間といった商業調整の事項ではない。この目的の違いは、この法律を解くうえで常に土台となる。
よって ウ。
なぜこの論点を予想したか
過去19年の出題実績を集計すると法規・制度(店舗販売)〈第15章〉は19年間で27回、毎年0〜3問が出題されている。大規模小売店舗立地法は同章で最も出題頻度が高く、R07第25問(配慮事項の組み合わせ)・R05第25問(届出手続)・H26第22問(駐車台数の算定)・H24第22問(需給調整は対象外)と繰り返し問われている。令和7〜8年に法改正がなく内容が安定しているため、直近で出題済みであっても反復出題の可能性が高い。ただし配慮事項の中身そのものは昨年のR07第25問(正解=a駐車需要の充足等交通に係る事項とc騒音の発生に係る事項)で問われたばかりであり、届出の事前・事後はR05第25問で、需給調整の可否はH24第22問で問われ済みである。そこで本問は、これらを避け、基準面積の政令委任と条例による別段の定め(第3条第2項)・運用主体・指針の法形式という、過去19年で正面から問われていない条文構造側に急所を移した。
出典
- 「大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針」平成19年2月1日 経済産業省告示第16号