予想問題 企業経営理論 令和8年度予想 第23問

この問題は本試験の過去問ではありません。当サイトが出題傾向の分析に基づいて作成したオリジナル問題です。

第23問

論点:ブランド・エクイティとブランド戦略

ブランド・エクイティおよびブランド戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 既存の成功したブランド名を別のカテゴリーの新製品に用いるブランド拡張では、既存ブランドへの好評価が波及するハロー効果が働く。この効果は、既存ブランドを評価してこなかった別の顧客層にも等しく及ぶ。
  2. 同一カテゴリー内で既存のブランド名のまま味やサイズを追加するのがライン拡張である。あえて別の新ブランドを付けて複数展開するマルチブランド戦略は、消費者のバラエティ・シーキングを抑え込むために用いられる。
  3. ブランド・イメージを構成する連想は、その数が多いほど資産価値が高まるため、連想の好ましさやユニークさは問われないとされる。
  4. プライベート・ブランドは、小売業者だけでなく卸売業者や生活協同組合も展開できる。もっとも、その構成比が高まりすぎても、消費者の品揃えへの不満が生じることはない。
  5. K. ケラーによれば、ブランドの強さは消費者のブランド知識で決まり、ブランド知識は、深く広く知られているかを表すブランド認知と、どのような連想を持たれているかを表すブランド・イメージからなる。
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正解:

解答:オ

ブランドが生む資産としての価値をブランド・エクイティといい、D. アーカーが体系化した。これを消費者の頭の中から捉え直したのが K. ケラーの顧客ベースのブランド・エクイティ(CBBE)で、階層は「ブランドの強さ=ブランド知識=ブランド認知+ブランド・イメージ」である。本問はこの階層と、ブランド戦略の各論の正確な理解を問うもの。

  • ア(×):前半は正しく、既存ブランド名を別カテゴリーの新製品に用いるのはブランド拡張(カテゴリー拡張)であり、ハロー効果によって認知の獲得が有利になる。誤りは後半で、ハロー効果はそのブランドを評価している本来の顧客層に波及するものである。別の顧客層にも等しく及ぶとする点が誤り。
  • イ(×):前半は正しく、同一カテゴリー内で既存ブランド名のまま味やサイズを追加するのはライン拡張、あえて別の新ブランドを付けて複数展開するのはマルチブランド戦略である。誤りは後半で、マルチブランド戦略は棚を押さえるとともに、消費者のバラエティ・シーキング(目新しさを求める行動)に応えるために用いられる。これを抑え込むためとする点が誤り。
  • ウ(×):ブランド・イメージを構成する連想は「多ければよい」わけではなく、強く・好ましく・ユニークな連想こそがブランド・エクイティを高める。好ましさやユニークさを問わないとする点が誤り。
  • エ(×):前半は正しく、PB(プライベート・ブランド)は流通業者が展開するブランドで、小売業者だけの特権ではなく卸売業者や生協も展開できる。誤りは後半で、PBの構成比が高まりすぎると、消費者が求めるNB(ナショナル・ブランド)の品揃えが減り、選択肢が狭まって不満を招くことがある。
  • オ(○):ケラーのCBBEでは、ブランドの強さは消費者のブランド知識によって決まり、ブランド知識はブランド認知とブランド・イメージの2次元からなる。最上位概念をブランド知識とする点、認知を「どれだけ深く広く知られているか」、イメージを「どのような連想を持たれているか」とする点も含めて適切である。

よって

なぜこの論点を予想したか

過去19年で16回出題され、ほぼ毎年出題される鉄板論点。R07でも第37問・第38問で出題された。ブランド・エクイティ(アーカー)とCBBE(ケラー)の階層、ライン拡張・ブランド拡張・マルチブランドの区別は名称の取り違えが繰り返し狙われる。

#製品・ブランド戦略

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