この問題は本試験の過去問ではありません。当サイトが出題傾向の分析に基づいて作成したオリジナル問題です。
第22問
論点:消費者の購買意思決定プロセス
消費者の購買意思決定プロセスに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア 消費者は、存在を知っているブランドのすべてを均等に検討するのではなく、知名集合から絞り込まれた考慮集合(想起集合)の中で情報収集と評価を行う。
- イ 問題認識は、今の状態と望ましい状態とのズレに気づく段階である。日用品などの最寄品では、家庭内のストックが減るといった内部刺激が主要な引き金となるが、広告に接して新商品を知るといった外部刺激が問題認識を生じさせることはない。
- ウ 情報探索には、記憶の中を探る内部探索と外部探索の2つがあるが、よく知っている低関与の商品でも、内部探索だけで済ませることはできない。
- エ 代替案評価では、ある属性のマイナスを他の属性のプラスで補う補償型の処理も行われる。ただし、そこで働く選好は製品の物理的な性能によって客観的に定まり、消費者の主観的な評価には左右されない。
- オ 関与とは、対象に対して消費者が感じる関心の高さ・重要度の程度をいう。関与が高い購買ほど情報探索は簡略化され、関与が低い購買ほど慎重な情報探索が行われる。
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正解:ア
解答:ア
購買意思決定プロセスは「問題認識→情報探索→代替案評価→購買決定→購買後行動」の5段階からなる。最大の急所は情報探索・代替案評価の段階で、消費者は知っている商品をすべて検討するのではなく、実際に購入候補として検討する少数のブランド群である考慮集合(想起集合)に絞り込んで評価する点にある。
- ア(○):消費者は入手可能な全ブランドを均等に検討するわけではなく、知っているブランドからなる知名集合、さらにそこから絞り込まれた考慮集合(想起集合)へと段階的に候補を狭め、その中で情報収集と評価を行う。「知っている商品のすべてを評価する」とすり替えるのが定番の引っかけであり、本肢はそれを正しく述べている。
- イ(×):前半は正しく、問題認識は現状と望ましい状態とのズレに気づく段階であり、最寄品ではストックの減少といった内部刺激が主要な引き金となる。誤りは後半で、広告や店頭での気づきといった外部刺激もまた問題認識の主要な引き金である。外部刺激が問題認識を生じさせることはない、と否定する点が誤り。
- ウ(×):前半は正しく、情報探索は外部探索と内部探索の2つからなる。誤りは後半で、よく知っている低関与の商品ほど内部探索だけで済ませる傾向がある。内部探索で完結する場合を否定する点が誤りである。
- エ(×):前半は正しく、代替案評価では、ある属性のマイナスを他の属性のプラスで埋め合わせる補償型の処理も行われる。誤りは後半で、そこで働く選好は主観的な評価に基づくものであり、物理的な性能によって客観的に定まるわけではない。だからこそ各ブランドを消費者の知覚で配置した知覚マップが意味を持つ。
- オ(×):前半は正しく、関与とは対象に感じる関心の高さ・重要度の程度をいう。誤りは後半で、高低が逆である。高関与ほど情報探索を広く慎重に行い、低関与ほど情報処理を簡略化する。関与が高まると注意や情報探索の量は増加する。
よって ア。
なぜこの論点を予想したか
過去19年で16回出題され、ほぼ毎年顔を出す鉄板論点。R07でも第36問(購買関与度×製品判断力)で出題された。考慮集合・内部探索/外部探索・関与の高低は繰り返し問われる急所である。