この問題は本試験の過去問ではありません。当サイトが出題傾向の分析に基づいて作成したオリジナル問題です。
第21問
論点:高年齢者雇用安定法
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)は、高年 齢者の安定した雇用の確保等を目的とする法律である。令和8年5月1日 時点で施行されている同法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア 事業主は65歳までの雇用確保措置を講じなければならず、経過措置が終了した令和7年4月1日以降は、定年を65歳まで引き上げることが求められている。
- イ 65歳までの継続雇用制度について、平成24年度までに労使協定で対象者を限定する基準を定めていた事業主は、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢以上の者について、現在も対象者を限定できる。
- ウ 創業支援等措置とは、70歳までの定年の引上げおよび定年の廃止の2つをいい、いずれも雇用によらない措置である点に特徴がある。
- エ 65歳までの雇用確保措置が事業主の義務であるのに対して、令和3年4月1日から設けられた70歳までの就業確保措置は、事業主の努力義務である。
- オ 70歳までの就業確保措置には、70歳までの定年の引上げ、定年の廃止、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度、70歳まで継続的に社会貢献事業に従事できる制度の4つがあり、70歳までの継続雇用制度を導入することは含まれない。
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正解:エ
解答:エ
高年齢者雇用安定法は、65歳までの「雇用確保措置」=義務、70歳までの「就業確保措置」=努力義務、という2階建ての構造をとる。令和7年3月31日をもって継続雇用の対象者を限定できる経過措置が終了し、令和7年4月1日以降は経過措置のない姿となった点が、令和8年度試験の狙い目である。
- ア(×):65歳までの雇用確保措置が事業主の義務であること、経過措置が令和7年3月31日をもって終了し、令和7年4月1日から経過措置のない姿になったことは、いずれも正しい。誤りは末尾の一点で、雇用確保措置は、①定年の廃止、②65歳までの定年の引上げ、③希望者全員を対象とする65歳までの継続雇用制度の導入、のいずれかを講ずればよく、定年を65歳へ引き上げることを義務づけるものではない。厚生労働省も、経過措置の終了によって65歳までの定年引上げが義務になるわけではない旨を明示している。最も典型的な引っかけである。
- イ(×):平成24年度までに労使協定で継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めていた事業主が、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢以上の者について対象者を限定できる、という経過措置の中身の説明は正しい。誤りは、これを現在も使えるとする点で、この経過措置は令和7年3月31日で終了した。令和7年4月1日以降は、希望者全員が65歳までの継続雇用の対象となる。
- ウ(×):創業支援等措置が雇用によらない措置である点に特徴があるという記述は正しい。誤りは中身の列挙で、創業支援等措置とは、④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度と、⑤70歳まで継続的に社会貢献事業に従事できる制度の2つをいう。定年の引上げや定年の廃止は雇用による措置であって、創業支援等措置ではない。
- エ(○):本問の正解。65歳までの雇用確保措置は事業主の義務であるのに対し、令和3年4月1日から設けられた70歳までの就業確保措置は努力義務である。義務と努力義務を入れ替えた肢が定番であり、本肢はこの2階建ての構造を正しく述べている。
- オ(×):列挙されている4つは、いずれも70歳までの就業確保措置に含まれるもので正しい。誤りは末尾の一点で、就業確保措置にはこのほかに70歳までの継続雇用制度の導入も含まれ、全部で5つである。
よって エ。
なぜこの論点を予想したか
過去19年でH19の1回のみと出題実績は少ないが、令和7年3月31日をもって継続雇用制度の対象者を限定できる経過措置が終了し、令和7年4月1日から希望者全員を対象とする姿に完全移行したという明確な改正イベントがある。法令基準日の令和8年5月1日時点で施行済みであり、改正年の狙い目となる。
出典
- 厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正(継続雇用制度の経過措置) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1.html
- 厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正(70歳までの就業機会の確保) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1_00001.html