この問題は本試験の過去問ではありません。当サイトが出題傾向の分析に基づいて作成したオリジナル問題です。
第19問
論点:育児・介護休業法(令和7年改正)
育児・介護休業法は、令和7年4月1日および同年10月1日に改正法が施 行され、育児期の柔軟な働き方に関する仕組みが大きく変わった。令和8 年5月1日時点で施行されている同法の内容に関する記述として、最も適 切なものはどれか。
- ア 子の看護等休暇の対象となる子は、小学校就学の始期に達するまでの子とされており、取得できる日数は1年に5日、その子が2人以上の場合は1年に10日である。
- イ 所定外労働の制限(残業免除)の対象となる労働者の範囲は、令和7年4月1日施行の改正により拡大され、3歳に満たない子を養育する労働者とされた。
- ウ 3歳に満たない子を養育する労働者が育児のためにテレワークを選択できるようにする措置は、令和7年4月1日施行の改正で設けられたが、事業主の努力義務にとどまる。
- エ 柔軟な働き方を実現するための措置は、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者を対象とし、事業主が法定の5つのうち3つ以上を選択し、労働者がそのうち1つを選択する仕組みである。
- オ 育児休業の取得状況の公表義務は、令和7年4月1日施行の改正により対象が拡大され、常時雇用する労働者が100人を超える事業主に課されている。
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正解:ウ
解答:ウ
令和7年4月1日施行分と同年10月1日施行分を区別し、かつ「義務」と「努力義務」を仕分けられるかが急所である。対象となる子の年齢が制度ごとに段階的にずれている点にも注意する(子の看護等休暇=小学校3年生修了まで/所定外労働の制限=小学校就学前まで/育児のためのテレワーク=3歳未満/柔軟な働き方を実現するための措置=3歳から小学校就学前まで)。
- ア(×):日数の記述(年5日、子が2人以上なら年10日)は改正後も変更がなく、正しい。誤りは対象年齢で、令和7年4月1日施行の改正により、子の看護等休暇(名称も変更された)の対象は小学校就学前から小学校3年生修了までに拡大された。あわせて、取得事由に感染症に伴う学級閉鎖等と入園(入学)式・卒園式が追加され、労使協定で除外できる「継続雇用期間6か月未満」の要件は撤廃された(除外できるのは週の所定労働日数が2日以下の者のみ)。
- イ(×):所定外労働の制限(残業免除)の対象が令和7年4月1日施行の改正で拡大されたという点は正しい。誤りは拡大後の範囲で、正しくは3歳未満から小学校就学前までに拡大された。3歳未満は改正前の内容であり、育児のためのテレワークの対象年齢(3歳未満)との入替えが典型的な引っかけである。
- ウ(○):本問の正解。育児のためのテレワーク(対象=3歳に満たない子を養育する労働者)は令和7年4月1日施行の改正で設けられたが、事業主の努力義務にとどまる。今回の改正で努力義務とされたのは、育児のためのテレワークと介護のためのテレワークであり、子の看護等休暇の拡大、所定外労働の制限の拡大、育児休業取得状況の公表、介護離職防止の雇用環境整備などはいずれも義務である。
- エ(×):令和7年10月1日施行の「柔軟な働き方を実現するための措置」について、対象(3歳から小学校就学前までの子を養育する労働者)と、事業主が選択肢を選び労働者がそのうち1つを選ぶという仕組みは正しい。誤りは事業主が選ぶ数で、正しくは5つのうち2つ以上である。5つの選択肢は、①始業時刻等の変更(フレックスタイム制・時差出勤)、②テレワーク等(月10日以上)、③保育施設の設置運営等、④養育両立支援休暇(年10日以上)、⑤短時間勤務(原則1日6時間)であり、事業主の選択にあたっては過半数組合等からの意見聴取が必要である。
- オ(×):育児休業の取得状況の公表義務の対象が令和7年4月1日施行の改正で拡大されたという点は正しい。誤りは人数で、正しくは常時雇用する労働者1,000人超から300人超に拡大された。100人超という数字は、次世代育成支援対策推進法における行動計画策定時の状況把握・数値目標設定の義務(100人以下は努力義務)の基準であり、この2つの数字の入替えが本命の引っかけである。
よって ウ。
なぜこの論点を予想したか
過去19年で3回出題、直近はR06。令和7年4月1日と同年10月1日に大改正が全面施行され、試験の法令基準日である令和8年5月1日時点ではすべて施行済みである。全面施行から試験まで7か月というのは「新法初出題」の定番タイミングであり、組織パートの最優先論点といえる。
出典
- 厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内(リーフレット№17) https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf
- 厚生労働省 育児・介護休業法について(法改正のポイント) https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/ikuji/law-amendment/
- 厚生労働省 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11367.html