この問題は本試験の過去問ではありません。当サイトが出題傾向の分析に基づいて作成したオリジナル問題です。
第18問
論点:36協定・時間外労働の上限規制と割増賃金
労働基準法第36条に基づく時間外・休日労働に関する協定(36協定)およ び割増賃金に関する記述として、最も不適切なものはどれか。なお、新技 術・新商品等の研究開発業務については考慮しないものとする。
- ア 時間外労働の限度時間は、原則として1か月45時間かつ1年360時間である。
- イ 特別条項を設けた場合であっても、時間外労働と休日労働の合計は単月100時間以内でなければならず、この単月の枠には休日労働が含まれる。
- ウ 特別条項により限度時間を超えて労働させることができるのは1年について6か月以内であり、この場合でも時間外労働は1年720時間以内でなければならない。
- エ 月60時間を超える時間外労働に対する5割以上の割増賃金は、中小企業に対する適用猶予が終了し、令和5年4月1日から中小企業にも適用されている。
- オ 時間外労働と休日労働の合計は、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月のいずれの期間の平均をとっても、1か月あたり80時間以内でなければならない。
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正解:イ
解答:イ
時間外労働の上限規制の数値は、原則が1か月45時間・1年360時間、特別条項を設けても年720時間以内、単月100時間未満(休日労働を含む)、複数月平均80時間以内(休日労働を含む)、限度時間を超えられるのは年6か月以内、である。「未満」と「以下」、休日労働を含むか含まないか、の書き分けが本問の急所である。
- ア(○):正しい。36協定で定める時間外労働の限度時間は、原則として1か月45時間かつ1年360時間である(対象期間が3か月を超える1年単位の変形労働時間制により労働させる場合は1か月42時間・1年320時間となる)。
- イ(×):本問の正解。単月の枠に休日労働が含まれるという後半は正しい。誤りは一点で、正しくは「単月100時間未満」であって「100時間以内」ではない。100時間ちょうどでも違法となる。「未満」を「以下」に書き換えるのは最も典型的な引っかけである。
- ウ(○):正しい。特別条項により限度時間(月45時間・年360時間)を超えて労働させることができるのは、1年について6か月以内である。また、特別条項を設けた場合の時間外労働の上限は1年について720時間であり、この年720時間の枠には休日労働は含まれない。
- エ(○):正しい。月60時間を超える時間外労働に対する5割以上の割増賃金は、中小企業についても令和5年4月1日から適用されている。適用猶予はすでに終了している。
- オ(○):正しい。時間外労働と休日労働の合計について、2か月・3か月・4か月・5か月・6か月のいずれの平均をとっても1か月あたり80時間以内でなければならない。この複数月平均の枠には休日労働が含まれる。一方、年720時間の枠には休日労働は含まれない、という非対称性が併せて狙われる。
よって イ。
なぜこの論点を予想したか
過去19年で9回出題の頻出論点。直近はR05で、R06・R07と2年連続で未出題のためそろそろ出題される可能性が高い。令和7年〜8年に労働基準法の実質的な改正はなく、現行の数値がそのまま問われる年である。単月100時間「未満」を「以下」に、年720時間に休日労働を含める、といった数値の書き換えが定番の引っかけである。
出典
- 労働基準法(昭和22年法律第49号)第36条・第37条 e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049