この問題は本試験の過去問ではありません。当サイトが出題傾向の分析に基づいて作成したオリジナル問題です。
第4問
論点:M&A・戦略的提携に関する用語
M&A(合併・買収)および戦略的提携に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア LBOは、買収に要する資金を借入によって調達する手法であり、その借入は経営陣が自ら拠出した出資金を担保として行われる。
- イ TOBは、買付けの期間・価格・株数を公告して株式を買い集める手法であるが、その買付けは証券取引所の内部で行われる。
- ウ デューデリジェンスとは、買収の準備・交渉の段階で、相手企業の資産やリスクを精査することをいう。
- エ ポイズンピルは、買収者以外の株主に新株を取得する権利を与えておく防衛策であり、自社の魅力的な資産を売却して買収の魅力を下げることで効果を発揮する。
- オ 事業譲渡とは、対象会社の資産と負債を包括的に承継する組織再編の手法であり、個別の選別はできない。
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正解:ウ
解答:ウ
M&Aの問題は、用語の定義を正確に一対一で覚えているかが勝負となる。混同を狙って定義を入れ替えた選択肢が定番であり、TOB・LBO・MBO、各種買収防衛策、事業譲渡と合併の違いは確実に押さえたい。
- ア(×):前半は正しく、LBO(レバレッジド・バイアウト)は借入によって買収資金を調達する手法である。誤りは後半で、その借入の担保となるのは買収対象企業の資産や将来キャッシュフローである。経営陣が自ら出資して自社や事業を買い取るのはMBO(マネジメント・バイアウト)であり、両者を混ぜた記述になっている。
- イ(×):前半は正しく、TOB(株式公開買付け)は買付けの期間・価格・株数を公告し、不特定多数の株主から株式を買い集める手法である。誤りは後半で、その買付けは取引所を通さずに取引所の「外」で行われる。「取引所の内部」は誤り。
- ウ(○):デューデリジェンス(DD)は、買収前(準備・交渉段階)に行う相手企業の資産・リスクの精査である。「統合段階で開始する」といった記述は誤りとなる定番の論点であり、本肢の記述は正しい。
- エ(×):前半は正しく、ポイズンピル(毒薬条項)は買収者以外の株主にあらかじめ新株を取得する権利を付与する防衛策である。誤りは後半で、その効果は市場より安く新株を与えることで買収者の持株比率を希薄化させる点にある。自社の魅力的な資産を売却して買収の魅力を下げるのはクラウンジュエル(焦土作戦)であり、別の防衛策の説明が混ぜられている。
- オ(×):合併と事業譲渡が逆である。資産・負債を包括的に承継する(包括承継)のは合併であり、事業譲渡は資産・負債を個別に選んで移転する「個別承継」である。「個別の選別はできない」も誤り。
よって ウ。
なぜこの論点を予想したか
過去19年で14回と戦略パートの最頻出論点であり、H21〜H25、H28〜R06とほぼ毎年出題されている。直近はR06で、R07でも第6問(TOB・MBO・CVC)が問われた常連テーマ。用語の定義を一対一で正確に覚えているかを問う「暗記勝負」の形式が定着しており、定義の入れ替えが最大の引っかけである。