第4問
コロナ禍で落ち込んだ経済を支えるための対策のひとつに、個人や世帯に対する 一時金の給付がある。この一時金の経済効果に関する記述として、最も適切な組み 合わせを下記の解答群から選べ。 a 恒常所得仮説によれば、今期の消費は今期の所得によって決定される。従っ て、緊急事態宣言の発出によって飲食店の営業を停止しても、一時金の給付に よって巣ごもり消費が喚起され、経済全体の消費は増加すると考えられる。 b 絶対所得仮説によれば、生涯の所得が生涯の消費を決定する。従って、一時金 の給付が将来の増税を予想させるとしても、新しい生活様式への対応を通じて、 経済全体の消費は増加すると考えられる。 c 低所得者ほど限界消費性向が高い傾向にあるとすれば、一時金の給付対象に所 得制限を設けることは、より効果的に消費を支えると考えられる。 d 不要不急の財に関する需要の所得弾力性が高い傾向にあるとすれば、一時金の 給付が消費を増やす効果は、不要不急の消費ほど大きくなると考えられる。
- ア aとb
- イ aとbとc
- ウ bとc
- エ bとcとd
- オ cとd
▼ 解答・解説を見る
正解:オ
解答:オ
消費理論と限界消費性向・所得弾力性の知識を問う。aとbは仮説の定義そのものが取り違えられている点に注意する。
- a(×):「今期の消費は今期の所得で決まる」のはケインズの絶対所得仮説であって恒常所得仮説ではない。恒常所得仮説では消費は恒常所得(長期的・平均的な所得)で決まり、一時金のような変動所得は消費をあまり増やさない。仮説の説明が誤り。
- b(×):「生涯所得が生涯消費を決定する」のはライフサイクル仮説(恒常所得仮説)の考え方であり、絶対所得仮説ではない。仮説の説明が誤り。
- c(○):低所得者ほど限界消費性向が高いなら、給付を低所得者に絞る(所得制限を設ける)ほうが、給付額がより多く消費に回り、消費を効果的に支える。
- d(○):不要不急の財の需要の所得弾力性が高いなら、所得が増えたとき不要不急の消費ほど大きく増える。よって一時金による消費増加効果は不要不急の消費ほど大きい。
適切なのはcとd。よって オ。