経済学・経済政策 H27年度 第20問

第20問

いま、ある事業を独占的に提供している既存の企業A がある。この事業には、 新規参入を希望する企業B も存在している。企業A は、この事業で「高価格」戦略 か「低価格」戦略を採用することができ、企業B は、「参入」ないし「参入せず」を選 択することができる。以下の樹形図は、このようなゲームの様子を整理したもので あり、カッコ内の値は、左が企業A、右が企業B の利得を表している。なお、政 府は、この事業へ参入規制を設けて、新規企業B が「参入」を選択できないように 計らうこともできる。 このときの記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

第20問の図
  1. aとc
  2. aとd
  3. bとc
  4. bとd DKJC-1A
▼ 解答・解説を見る

正解:

解答:ウ

参入ゲーム(展開形ゲーム)を後ろ向き帰納法(バックワード・インダクション)で解く。利得は(企業A, 企業B)。

まずBの最適反応を考える。

  • Aが「高価格」を選んだ場合:B は「参入」で50、「参入せず」で0 → 参入を選ぶ(A,B)=(50, 50)。
  • Aが「低価格」を選んだ場合:B は「参入」で-40、「参入せず」で0 → 参入せずを選ぶ(A,B)=(100, 0)。

次にAは、自分の利得を比較する。高価格なら50、低価格なら100 → 低価格を選ぶ。 したがって部分ゲーム完全均衡は「A:低価格、B:参入せず」、利得は(100, 0)。Aは低価格という脅し(参入すればBが赤字になる)によって参入を阻止している(参入阻止価格)。

なお政府が参入規制でBの「参入」を封じると、Bは必ず「参入せず」となるため、Aは安心して高価格を選び(300, 0)を得る。Aの利得は100→300へ増えるが、高価格により消費者の負担は増す。

この均衡分析・参入規制の効果に関する記述のうち、正しいのは b と c。よって 。 (部分ゲーム完全均衡はA低価格・B参入せずで利得(100,0)であること、参入規制があるとAは高価格(300,0)を選び利得が増えること、を正しく述べた記述の組み合わせが正解となる。)

#不完全競争・ゲーム理論

← 経済学・経済政策の一覧へ戻る