経済学・経済政策 H23年度 第23問

第23問

いま、家電量販店であるX 社とY 社が存在し、両社は同質財を同一価格で店頭 販売している。ここで、同質財を他社が自社よりも安く販売したときに自社は他社 の価格で販売するという「最低価格保証」をX 社が宣言したとする。 このときの状況として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a Y 社が価格を引き下げた場合、X 社も同じだけ価格を引き下げることになり、 Y 社はX 社の顧客を奪うことができない。 b Y 社は何らの対抗措置を採らなくてもX 社の顧客を奪うことができる。 c Y 社も「最低価格保証」を宣言した場合、両社間の価格引き下げ競争が激化す る。 d Y 社も「最低価格保証」を宣言した場合、両社ともに価格を引き下げる誘因が弱 くなる。

  1. aとc
  2. aとd
  3. bとc
  4. bとd ― 19― ◇M1(688―21)
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正解:

解答:イ

〔リード〕「最低価格保証(他社が安ければその価格で売る)」は、一見すると消費者に有利な競争策に見えるが、ゲーム理論的にはライバルの値下げ誘因を消し、結果的に高価格の維持(暗黙の協調)を促す装置として働きうる。

  • a(○):Y社が値下げしても、X社は最低価格保証により自動的に同じ価格まで下げるため、Y社は価格で顧客を奪えなくなる。値下げの妙味が失われる。正しい。
  • b(×):上記のとおり、Y社は値下げしても顧客を奪えない。「何の対抗措置も採らなくても顧客を奪える」とするのは誤り。
  • c(×):両社が最低価格保証を宣言すると、互いに値下げしても相手が即座に追随するため、値下げによる顧客獲得効果が消え、価格引き下げ競争はむしろ「沈静化」する。激化するとするのは誤り。
  • d(○):両社が最低価格保証を宣言すると、値下げしても相手に即追随されメリットがないため、両社とも価格を引き下げる誘因が弱まる(高価格維持=暗黙の協調)。正しい。

正しい組み合わせは aとd。よって

#不完全競争・ゲーム理論

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