第18問
リスク選好度に関する下記の設問に答えよ。 (
設問1
) 下図の曲線は、ある消費者の所得と効用水準の関係を表したものである。この 消費者のリスク選好度とリスクプレミアムに関し、最も適切なものの組み合わせ を下記の解答群から選べ。ここで、リスクプレミアムの値は、この個人が合理的 に期待する所得を保障する保険に対して支払ってもよいと考える保険料の額を表 す。 a この消費者はリスク愛好的である。 b この消費者はリスク回避的である。 c リスクプレミアムは負の値をとる。 d リスクプレミアムは正の値をとる。
- ア aとc
- イ aとd
- ウ bとc
- エ bとd ― 22― ◇M1(557―24) (
設問2
) 不況に直面したとき、企業は雇用を削減する必要に迫られる。労働者は解雇さ れれば大幅な所得減に直面するが、解雇されなければこれまでと同等の所得水準 を維持できる。したがって、不況下では労働者は所得水準の変動リスクに直面す ることになる。一方、ワークシェアリングでは、すべての労働者が解雇されるわ けではないものの、一定水準の所得減となる。リスク選好度に関して最も適切な ものはどれか。
- ア リスク愛好的な労働者はワークシェアリングを好む。
- イ リスク回避的な労働者はワークシェアリングを好む。
- ウ リスク中立的な労働者はワークシェアリングを好む。
- エ リスクの選好度にかかわらず、どの労働者もワークシェアリングを好まな い。
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正解: 設問1 エ 設問2 イ
解答:設問1=エ、設問2=イ
設問1(正解:エ)
所得(横軸)と効用(縦軸)の関係を表す効用曲線の形状からリスク選好度を判定する。設問の曲線は上に凸(限界効用が逓減する凹型)であり、これはリスク回避的な消費者を表す。
リスクプレミアムは「確実な期待所得」と「同じ期待効用を与える確実所得(確実性等価)」の差として定義される。リスク回避者では確実性等価が期待所得より小さいため、その差であるリスクプレミアムは正の値をとる。設問の定義(リスクを避けるために支払ってもよい保険料の額)から見ても、リスク回避者は正の保険料を払う意思があり、リスクプレミアムは正となる。
- a(×):曲線が上に凸であり、リスク愛好的(下に凸)ではない。
- b(○):上に凸の効用曲線はリスク回避的を表す。正しい。
- c(×):リスクプレミアムは正であり、負ではない。
- d(○):リスク回避者のリスクプレミアムは正の値をとる。正しい。
正しいのはbとd。よって設問1は エ。
設問2(正解:イ)
解雇か雇用維持かという所得変動リスクに直面するより、全員が一定の所得減を確実に受け入れるワークシェアリングを選ぶかどうかは、リスク選好度に依存する。
- ア(×):リスク愛好的な労働者は変動(賭け)を好むため、確実な所得減であるワークシェアリングはむしろ好まない。
- イ(○):リスク回避的な労働者は、所得が大きく変動する状況(解雇リスク)より、確実な一定の所得減を受け入れるワークシェアリングを好む。正しい。
- ウ(×):リスク中立的な労働者は期待所得のみで判断し、所得変動の有無に無差別なので、特にワークシェアリングを好むとは限らない。
- エ(×):リスク回避的な労働者はワークシェアリングを好むため、「どの労働者も好まない」は誤り。
よって設問2は イ。