第17問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 株価下落や不良債権増大に直面した銀行は、中小企業を含む民間企業への貸し出 しを減らす必要に迫られる。健全な企業に対しても銀行側の都合で貸し出しが減少 するなど、貸し渋り、貸しはがしのような社会問題が発生した。 このような銀行の行動の背景には、銀行が国際取引を行う際の自己資本比率に関 する規制がある。その規制は、「自己資本比率が%以上でなければ、銀行は国際 的な業務ができない」というものである。 以下では、自己資本比率に関する規制について、次のような単純な構造を考え る。 自己資本比率=自己資本÷貸し出し 自己資本=基本項目+補完項目 基本項目:資本金+法定準備金+剰余金など 補完項目:株式・社債の含み益(その45%を上限)など ただし、補完項目の合計が基本項目の合計を超えてはならない。 ここで、次のような単純化された資本構成の銀行を考える。 基本項目は、36億円。 補完項目は、株式・社債の含み益のみで、その額は80億円。 貸し出しは、民間貸し出しのみ900億円。 この場合、自己資本比率は%である。 自己資本比率={36+80×(45/100)}÷900 =0.08 ― 20― ◇M1(557―22) (
設問1
) 株価下落などにより、株式・社債の含み益が半分の40億円に低下した場合、 自己資本比率は何%になるか。最も適切なものを選べ。
- ア %
- イ %
- ウ %
- エ %
- オ % (
設問2
) 株価下落などにより、株式・社債の含み益が半分の40億円に低下した場合、 %の自己資本比率に関する規制を達成するためには、民間貸し出しを今より どれほど減らす必要があるか。最も適切なものを選べ。
- ア 90億円
- イ 135億円
- ウ 180億円
- エ 225億円 ― 21― ◇M1(557―23)
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正解: 設問1 エ 設問2 エ
解答:設問1=エ、設問2=エ
前提の確認:自己資本=基本項目+補完項目。補完項目は株式・社債の含み益の45%を上限とし、かつ補完項目の合計が基本項目を超えてはならない。 当初:基本36億円、含み益80億円 → 補完=80×0.45=36億円(基本36以下でOK)。自己資本=36+36=72億円。自己資本比率=72/900=0.08=8%。
設問1(正解:エ)
含み益が半分の40億円に低下した場合: ・補完項目=40 × 0.45 = 18億円(基本36以下なのでそのまま計上可)。 ・自己資本=基本36 + 補完18 = 54億円。 ・自己資本比率=54 / 900 = 0.06 = 6%。
よって設問1は6%にあたる エ。
設問2(正解:エ)
含み益40億円の状況(自己資本54億円)で、自己資本比率8%の規制を満たすために必要な貸し出し額を求める。 ・54 / 貸し出し ≧ 0.08 → 貸し出し ≦ 54 / 0.08 = 675億円。 ・現在の貸し出しは900億円なので、削減すべき額=900 − 675 = 225億円。
- ア(×):90億円。削減後の貸し出しが810億円となり、54/810≒6.7%で8%に届かず不足。
- イ(×):135億円。削減後765億円、54/765≒7.1%で不足。
- ウ(×):180億円。削減後720億円、54/720=7.5%で不足。
- エ(○):225億円。削減後675億円、54/675=8.0%でちょうど規制を達成。
よって設問2は エ(225億円)。