経済学・経済政策 H21年度 第3問

第3問

下図は、最終需要項目単位の増加がどれだけ生産を誘発するかを、大企業と中 小企業に分けて表したものである。この図から、民間消費や公的固定資本形成の拡 大による生産誘発効果は、大企業よりも中小企業のほうが大きいことがわかる。 しかし、近年、中小企業が依存する民間消費は伸び悩み、それが中小企業の利益 率を低迷させていることが指摘されている。その理由として、最も適切なものの組 み合わせを下記の解答群から選べ。 a 家計部門の所得は急速に増加しているが、公共事業の縮小に伴う景気へのマイ ナス効果が生じている。 b 正規雇用から非正規雇用への雇用形態のシフトに伴い、賃金を押し下げる要因 が作用している。 c 賃金が下降傾向にあり、家計部門の所得の伸び悩みから消費拡大のスピードが 緩慢になっている。 d 労働市場が迫し賃金は上昇傾向にあるが、家計部門の貯蓄の増大が著しい。

  1. aとb
  2. aとd
  3. bとc
  4. bとd ― 3― ◇M1(557―5)
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正解:

解答:ウ

〔リード〕中小企業が依存する民間消費がなぜ伸び悩むのかを、家計所得・賃金の動向から説明する記述を選ぶ。当時(2000年代後半)の実態は「賃金の伸び悩み・低下」「非正規雇用の増加」「家計所得の伸び悩み」であり、これと整合する記述が正しい。

  • a(×):「家計部門の所得は急速に増加している」が事実に反する。当時の家計所得は伸び悩んでいた。前半が誤りであるため不適切。
  • b(○):正規雇用から非正規雇用へのシフトは、相対的に低賃金の雇用が増えることを意味し、賃金を押し下げる要因として作用する。民間消費伸び悩みの背景説明として正しい。
  • c(○):賃金の下降傾向 → 家計所得の伸び悩み → 消費拡大スピードの鈍化、という因果は当時の状況と整合し、正しい。
  • d(×):「賃金は上昇傾向」「貯蓄の増大が著しい」がいずれも事実に反し、消費伸び悩みの理由としても不適切。

正しい記述はbとc。よって正解は (bとc)。

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