第17問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 下図の直線で示される海辺で、店のアイスクリーム屋(X 店とY 店)が営業を している。それぞれの店は最適な立地を探して、下図の直線上の希望する場所に店 を構えることができるとする。ここで、競合相手より右の方に立地した店は、その 店から右の客をすべて獲得できるとする。同様に、左の方に立地した店は、その店 から左の客をすべて獲得できるとする。つの店の間の客については、その中間点 より自店に近い客を獲得できるとする。また、海水浴客は海辺に均等にいると想定 する。 A 地点 B 地点 C 地点 D 地点 E 地点 ←左 右→ (例) もしX 店がB 地点に、Y 店がD 地点に店を構えると、X 店はA 地点からC 地 点の客を、Y 店はC 地点からE 地点の客を獲得できる。(海辺の長さを均等に 分割し、左から順にA からE 地点としている。) (
設問1
) もしX 店が先にA 地点に立地したとすると、Y 店にとって最も望ましい立地 はどこか。
- ア A 地点のやや右(X 店の右隣)
- イ B 地点
- ウ C 地点
- エ D 地点
- オ E 地点のやや左 ― 18― ◇M1(743―20) (
設問2
) ここで、両店にとってナッシュ均衡となる立地はどこか。最も適切なものを選 べ。
- ア A 地点で隣り合わせに立地
- イ B 地点で隣り合わせに立地
- ウ C 地点で隣り合わせに立地
- エ D 地点で隣り合わせに立地
- オ E 地点で隣り合わせに立地 ― 19― ◇M1(743―21)
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正解: 設問1 ア 設問2 ウ
解答:設問1=ア、設問2=ウ
〔リード〕ホテリングの立地モデル(最小差別化原理)。客は海辺に均等分布し、より近い店を選ぶ。各店は獲得客(市場シェア)を最大化するよう立地する。海辺を左からA・B・C・D・Eの5地点に均等分割。
設問1(X店がA地点に先に立地したとき、Y店の最適立地)
X店が左端のA地点に立地している場合、Y店はX店のすぐ右隣に立地すれば、自店から右側の客(A地点のごくわずか右からE地点まで、ほぼ全体)を獲得できる。Y店が右に離れるほど、X店との中間点より左の客をX店に取られ、Y店のシェアは減る。
- ア(○):A地点のやや右(X店の右隣)。X店に左端のごく一部だけを残し、残りほぼ全市場を獲得できるため最大シェア。最適。
- イ〜オ(×):B・C・D・E地点では、X店との中間点より左の客をX店に奪われる分だけ獲得客が減り、ア(右隣)に劣る。
設問1は ア。
設問2(両店のナッシュ均衡となる立地)
互いに相手の立地を所与として最適反応を繰り返すと、両店は中央へ引き寄せ合い、最終的に中央のC地点で隣り合って立地する。ここでは各店がちょうど市場の半分(左半分・右半分)を獲得し、どちらも一方的に移動してシェアを増やせない(中央から動けばその方向の客を相手に取られる)。これがナッシュ均衡=最小差別化の帰結。
- ア・イ(×):A・B地点で隣接すると右側の広い市場を相手に取られ、中央へ動く誘因が残るため均衡でない。
- ウ(○):中央のC地点で隣り合わせ。互いに最適反応となり、どちらも逸脱の誘因がないナッシュ均衡。
- エ・オ(×):D・E地点で隣接すると左側の広い市場を相手に取られ、均衡でない。
設問2は ウ。
よって 設問1=ア、設問2=ウ。