第8問
貨幣理論および金融政策に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- ア 貨幣数量説と完全雇用を前提とすれば、名目貨幣供給が増加しても実質貨幣供 給は不変であるが、利子率の低下を通じて投資を刺激する。
- イ 貨幣数量説と完全雇用を前提とすれば、名目貨幣供給の増加はそれと同率の物 価の上昇を引き起こし、貨幣の中立性が成立する。
- ウ 公定歩合の引き下げ、売りオペ、外貨準備の増加はハイ・パワード・マネーの 増加を通じて貨幣供給量を増加させる。
- エ 流動性選好理論では、所得の増加によって貨幣の投機的需要が増加すると考え る。
- オ 流動性選好理論では、利子率の低下によって貨幣需要が減少すると考える。 ― 9― ◇M1(023―11)
▼ 解答・解説を見る
正解:イ
解答:イ
〔リード〕貨幣数量説・貨幣の中立性・ハイパワードマネー・流動性選好理論の正誤を問う。
- ア(×):貨幣数量説と完全雇用を前提とすれば、名目貨幣供給の増加は同率の物価上昇をもたらし実質貨幣供給は不変となるが、その結論は「貨幣の中立性」であり、利子率低下を通じた投資刺激(実物変数への影響)は生じない。「利子率の低下を通じて投資を刺激する」は古典派の枠組みと矛盾し誤り。
- イ(○):貨幣数量説と完全雇用の下では、名目貨幣供給の増加はそれと同率の物価上昇を引き起こすのみで、実質変数(産出・雇用等)には影響しない。これが「貨幣の中立性」である。正しい。
- ウ(×):ハイパワードマネーを増加させるのは「買いオペ」である。「売りオペ」は資金を吸収しハイパワードマネーを減少させる。記述に誤りが含まれるため不適切。
- エ(×):流動性選好理論では、投機的需要は「利子率」の減少関数である。所得の増加によって増えるのは取引需要であって投機的需要ではない。誤り。
- オ(×):流動性選好理論では、利子率の低下は貨幣保有の機会費用を下げ、貨幣需要(特に投機的需要)を「増加」させる。「貨幣需要が減少する」は逆で誤り。
よって イ。