事案の概要データ
| 公表日 | 2026年10月24日 |
|---|---|
| 対象 | 静岡駅前地下駐車場「エキパ」の駐車券紛失届兼再発行願 |
| 件数 | 非公表・調査中(対象人数・件数は不明) |
| 区分 | 人の誤り(誤送信・紛失) |
| 状況 | 外部流出のおそれ |
図解:この事故の構造
何が起きたのか
静岡市は2026年10月24日、静岡駅前地下駐車場「エキパ」の駐車券紛失届兼再発行願に記載された個人情報に、外部流出のおそれがあると公表しました。
対象人数・件数は不明とされています。外部からの攻撃ではなく、書類の取り扱いに関する事案です。
紙の書類という見落とされがちな経路
本サイトに掲載している事案の多くは、システムへの不正アクセスです。しかし情報漏えいは、紙の書類からも起こります。
駐車券を紛失したときに書く「紛失届兼再発行願」には、氏名、住所、連絡先、車両番号などが書かれます。駐車場を使った日時も記録されます。
こうした書類は、窓口で受け取り、しばらく保管され、いずれ処分されます。その過程のどこかで、紛失したり、処分方法を誤ったりすれば、流出します。
システムの事故と違い、紙の事故は「何件流出したか」が分かりにくいという特徴があります。本件で件数が不明とされているのも、そのためと考えられます。ログが残らないからです。
中小企業の紙の書類を点検する
中小企業でも、紙に個人情報を書いてもらう場面は多くあります。申込書、アンケート、来客記録、見積依頼書、修理の受付票。
次の3点を確認してください。
1. 保管場所。 鍵のかかる場所に入っていますか。事務所の棚に積まれたままになっていませんか。
2. 保管期間。 いつまで持っているかを決めていますか。「念のため」で10年分溜まっていませんか。不要な書類は、持っているだけでリスクです。
3. 処分方法。 シュレッダーにかけていますか。そのまま可燃ごみに出していませんか。段ボールにまとめて業者に渡す場合、その業者の処理方法を確認していますか。
2024年には、溶解処理を委託した書類が未処理のまま放置されていた事案もありました。委託すれば終わりではありません。
件数が分からなくても公表した
本件は、対象人数も件数も不明のまま公表されました。
これは適切な判断です。紙の書類の流出では、件数の特定に時間がかかります。確定を待てば、対象者が自衛する機会を失います。
2026年10月23日のグッドスマイルカンパニー(件数未公表)、日本ピザハット(公式発表に件数の記載なし)も同様です。
「全部分かってから公表しよう」とすると、公表が数か月後になります。分かっていることだけを、分かっている範囲で伝える——この姿勢が、対象者の利益になります。
時系列で見る経過
- 2026年10月駐車券紛失届兼再発行願に記載された個人情報の外部流出のおそれが判明
- 2026年10月24日事案を公表。対象人数・件数は不明としている
中小企業が学ぶべきポイント
- 情報漏えいは紙の書類からも起こる。システムだけを見ていては足りない。
- 紙の事故は件数が分かりにくい。ログが残らないため。
- 保管場所は鍵のかかる場所に。事務所の棚に積まれていないか。
- 保管期間を決める。不要な書類は持っているだけでリスク。
- 処分方法を確認する。委託した場合、その業者の処理方法まで確認する。
- 件数が分からなくても公表してよい。確定を待てば対象者が自衛できない。
出典・参考
本記事は、各組織の公表資料および報道をもとに、要点をわかりやすく整理したものです。 被害件数は「漏えいした可能性のある最大件数」として公表されている場合があり、実際に漏えいが確定した件数とは異なることがあります。 また、調査の進展により内容が変わる場合があります。正確な情報は必ず出典元の公式発表をご確認ください。