概要

個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)は、個人情報の有用な活用と、個人の権利・利益の保護を両立させることを目的とした法律です。個人情報を取り扱う事業者(個人情報取扱事業者)に対し、取得・利用・保管・提供の各場面でのルールを定めています。

かつては取り扱う件数の少ない小規模事業者は対象外でしたが、改正により原則としてすべての事業者が対象です。3年ごとの見直し(いわゆる3年ごと改正)で、漏えい時の報告義務化や個人の権利強化など、規制が継続的に強化されています。監督機関は個人情報保護委員会です。

詳細(用語の定義)

用語意味
個人情報生存する個人に関する情報で、氏名等により特定の個人を識別できるもの(他の情報と照合して識別できるものを含む)。
個人識別符号それ単体で個人を識別できる符号。指紋・顔等の生体データ、マイナンバー、免許証番号など。
要配慮個人情報人種・信条・病歴・犯罪歴など、取扱いに特に配慮を要する情報。取得には原則本人同意が必要
個人データ個人情報データベース等を構成する個人情報。安全管理措置の対象。
仮名加工情報/匿名加工情報一定の加工で特定個人を識別しにくく(できなく)した情報。利活用の促進のための区分。
特定の個人を識別できるか」が個人情報の核心。氏名単体や、メールアドレス+所属など照合で個人を特定できる情報も該当します。要配慮個人情報は取得に本人同意が必要な点が頻出ポイントです。

事業者の義務・対策

個人情報取扱事業者には、主に次のような義務が課されます。

  1. 利用目的の特定・通知:何に使うかをできる限り特定し、本人に通知・公表する。
  2. 目的外利用の禁止:特定した目的の範囲を超える利用は原則本人同意が必要。
  3. 適正な取得:偽りなど不正な手段で取得しない。要配慮個人情報は原則同意取得。
  4. 安全管理措置:漏えい・滅失を防ぐため、組織的・人的・物理的・技術的な管理を講じる。
  5. 第三者提供の制限:原則本人同意。オプトアウトや委託・共同利用には別途ルール。
  6. 開示・訂正・利用停止等への対応:本人の請求に応じる。
  7. 漏えい等の報告・通知:一定の漏えい時は個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務。

安全管理措置の4分類

分類具体例
組織的責任者の設置、規程整備、点検
人的従業者への教育、秘密保持の徹底
物理的入退室管理、書類・媒体の施錠保管
技術的アクセス制御、暗号化、ログ管理
安全管理措置の「組織的・人的・物理的・技術的」の4分類は、ISMSの管理策の考え方と共通します。法律(個人情報保護法)と規格(ISMS)が同じ発想でつながっている点を意識すると記憶に残ります。

違反・漏えい事例

大量の顧客情報の不正持ち出し

教育・通信系の企業で、業務委託先の従業員が顧客の個人情報を不正に持ち出し、名簿業者に売却した事例があります。委託先管理の不備持ち出しを防ぐ技術的対策の欠如が問題となり、委託元の監督責任が問われました。

設定ミスによる情報公開

クラウドストレージのアクセス権設定ミスで、個人データがインターネットに公開状態となる事例も増えています。漏えいが疑われる場合は、速やかに個人情報保護委員会へ報告し、本人へ通知するという対応フローが求められます。

委託先で事故が起きても、委託元が「委託先を適切に監督する義務」を負う点は重要。「委託したから責任も移る」わけではない、というのがよくある誤解です。

試験での問われ方