リテンションとは
リテンション(Customer Retention:顧客維持)とは、既存顧客との関係を維持し、継続的に自社の製品やサービスを利用してもらうための活動全般を指します。リテンション率(顧客維持率)は、一定期間内に取引を継続した顧客の割合で、チャーンレート(解約率)の逆数に相当します。新規顧客獲得コストが既存顧客維持コストの5〜25倍とされる中、リテンション施策の重要性は年々増しています。
リテンション率の計算と目安
リテンション率 =(期末顧客数 − 期中新規顧客数)÷ 期首顧客数 × 100 で算出されます。業界によって目安は異なりますが、SaaS企業では月間リテンション率95%以上(年間チャーン約46%以下)、ECサイトでは年間リテンション率30〜40%が一般的な水準です。リテンション率を5%改善するだけで、利益が25〜95%向上するとする有名な研究(ベイン・アンド・カンパニー)もあります。
リテンション施策の体系
主要なリテンション施策は、①パーソナライズされたコミュニケーション(メール、プッシュ通知)、②ロイヤルティプログラムの設計・運用、③カスタマーサクセスの推進、④定期的なエンゲージメント施策(キャンペーン、コンテンツ提供)、⑤解約予兆の検知と介入、⑥フィードバックループの構築(VOC活用)です。一度離反した顧客を呼び戻す「ウィンバック施策」もリテンションの一部です。
リテンションマーケティングの実践
効果的なリテンションマーケティングには、顧客データの統合管理が前提となります。CRM/CDPで購買履歴、行動データ、VOCを一元管理し、セグメント別のリテンション施策を設計します。リテンションの成否は、製品・サービスそのものの価値に最も大きく依存するため、プロダクト改善とマーケティング施策を連動させることが不可欠です。
具体例・事例
リテンションは、既存顧客に継続して利用してもらうための活動全般です。新規獲得よりコストが低いとされ、安定経営の鍵になります。
- フォロー連絡:購入後のお礼や使い方案内で、次の利用につなげる。
- 会員特典:継続利用者向けの割引やポイントで、つなぎ止めを図る。
- 想定例:ある整体院では、施術後に次回の目安時期を案内し、定期的な再来院を促した。
どんなときに使う?(活用シーン)
顧客維持の活動は、限られた予算で売上を安定させたい中小企業ほど効果が大きいテーマです。
- 離れやすい時期を把握し、その前にフォロー連絡を入れる。
- 休眠しかけた顧客に、再来店のきっかけとなる案内を送る。
- 継続利用者への特典で、乗り換えの動機を減らす。
- 中小企業では、一度来た顧客への丁寧なフォローが、新規広告よりも費用対効果が高いことが多い。
よくある質問
Q. 新規獲得と顧客維持、どちらを優先すべきですか?
A. 一般に既存顧客の維持は新規獲得より低コストとされ、まず維持を固めるのが効率的です。ただし維持だけでは先細りするため、両者のバランスを取ることが大切です。
Q. リテンション率はどう計算しますか?
A. 期間中に新たに獲得した顧客を除き、期初からいた顧客のうち期末まで取引が続いた人の割合で計算します。解約率の裏返しの指標であり、推移を追うことで維持施策の効果を確認できます。