セキュアマルチパーティ計算

Secure Multi-Party Computation

セキュアマルチパーティ計算とは

セキュアマルチパーティ計算(MPC)とは、複数の参加者がそれぞれの入力データを互いに開示することなく、共同で計算を行うための暗号プロトコルです。各参加者は計算結果のみを知ることができ、他の参加者のデータは一切知ることができません。

AIセキュリティでの応用

MPCはAIセキュリティにおいて、複数組織間でのモデル共同訓練、プライバシー保護推論、連合学習のセキュリティ強化などに活用されます。例えば、複数の病院が患者データを共有せずに共同で診断モデルを訓練したり、モデル提供者とユーザーがそれぞれのモデルとデータを保護しながら推論を実行したりすることが可能です。秘密分散法を用いたMPCでは、データを複数のシェアに分割し、各サーバーが1つのシェアのみを保持します。

課題と実装

MPCの主な課題は、通信コストと計算オーバーヘッドです。参加者間の通信ラウンド数が増えるとレイテンシが増大し、特にディープニューラルネットワークのような複雑な計算では実行時間が大幅に増加します。効率的なプロトコルの開発(ガーブルド回路の最適化、OT拡張など)や、準同型暗号との組み合わせによるハイブリッドアプローチが研究されています。CrypTenなどのフレームワークにより、開発者が暗号の専門知識なしにMPCベースのAIを実装しやすくなっています。