準同型暗号(セキュリティ)

Homomorphic Encryption

準同型暗号とは

準同型暗号とは、暗号化されたデータに対して復号することなく演算を実行できる暗号方式です。計算結果を復号すると、平文で計算した場合と同じ結果が得られます。AIセキュリティにおいては、データのプライバシーを完全に保護しながらモデルの推論を実行する手段として注目されています。

表:準同型暗号(セキュリティ)の要点まとめ
ひとことで言うと暗号化したままのデータで計算し、結果も暗号のまま得られる暗号方式。
何がうれしいかクラウドにデータを預けても、中身を見られずに処理してもらえる。
注意点処理速度が平文の数百〜数万倍かかる。用途は限定的。

AIでの活用

準同型暗号のAIへの応用は、主に推論フェーズで進んでいます。ユーザーは自分のデータを暗号化してクラウド上のモデルに送信し、モデルは暗号化データ上で推論を実行し、暗号化された結果を返します。ユーザーだけが結果を復号できるため、クラウドサービス提供者にもデータが開示されません。医療診断、金融リスク評価など、データの機密性が特に重要な領域での活用が期待されています。

図:準同型暗号の使い方
1手元で暗号化鍵は自分が持つ
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2クラウドへ送る中身は見えない
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3暗号のまま計算復号せずに処理
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4暗号の結果を受取るクラウドは内容を知らない
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5手元で復号結果だけ取り出す

課題と展望

準同型暗号の最大の課題は計算コストです。完全準同型暗号(FHE)はあらゆる計算が可能ですが、平文での計算に比べて数桁遅くなります。この課題に対し、CKKS方式などの近似計算に特化した方式の開発、GPUアクセラレーション、専用ハードウェア(FHEアクセラレータ)の研究が進んでいます。また、ニューラルネットワークをFHEフレンドリーな構造に変換する技術も実用化を後押ししています。