この問題は本試験の過去問ではありません。当サイトが出題傾向の分析に基づいて作成したオリジナル問題です。
第15問
論点:GMROI(商品投下資本粗利益率)の計算
ある小売店のある商品部門について、当期の実績は以下のとおりであった。この商 品部門のGMROI(商品投下資本粗利益率)として、最も適切なものはどれか。 年間売上高 4,800 万円 年間売上原価 3,600 万円 期首在庫高(売価) 1,100 万円 期末在庫高(売価) 900 万円 売価値入率 40 %
- ア 120 %
- イ 200 %
- ウ 300 %
- エ 600 %
- オ 800 %
▼ 解答・解説を見る
正解:イ
解答:イ
GMROI は「原価で仕入れた在庫が、どれだけ粗利益を生んだか」を測る指標であり、分母は必ず原価ベースの平均在庫である。
$$GMROI = \frac{売上総利益(粗利益)}{平均在庫高(原価)}$$
本問は在庫が売価で与えられているため、原価に換算してから分母に用いる点が勝負どころとなる。
-
ステップ1 売上総利益 = 4,800 − 3,600 = 1,200 万円
-
ステップ2 平均在庫高(売価)=(1,100 + 900)÷ 2 = 1,000 万円
-
ステップ3 原価率 = 1 − 売価値入率0.40 = 0.60 → 平均在庫高(原価)= 1,000 × 0.60 = 600 万円
-
ステップ4 GMROI = 1,200 ÷ 600 = 2.0 = 200 %となる
-
ア(×):120 %は、平均在庫を原価に換算せず売価のまま分母に用いた誤り(1,200 ÷ 1,000)。これは粗利益率25 % × 在庫回転率(売価ベース)4.8 回 = 120 %、すなわち交差比率の値であり、GMROI ではない。
-
イ(○):1,200 ÷ 600 = 200 %で、上の計算と一致する。
-
ウ(×):300 %は、平均在庫(売価)に原価率0.60 ではなく売価値入率0.40 を乗じてしまった誤り(1,200 ÷ 400)。「原価率 = 1 − 売価値入率」の変換を誤ったパターン。
-
エ(×):600 %は、分子に粗利益ではなく売上原価を用いた誤り(3,600 ÷ 600)。
-
オ(×):800 %は、分子に粗利益ではなく売上高を用いた誤り(4,800 ÷ 600)で、原価ベースの在庫回転率にあたる。
なお、売価値入率は40 %であるのに実際の粗利益率は25 %(1,200 ÷ 4,800)にとどまっている。これは値下げやロスによって、売る前の予定利幅である値入が、売った後の実績である粗利を上回るためであり、両者を混同しないことが重要である。
よって イ。
なぜこの論点を予想したか
過去19年の出題実績を集計するとマーチャンダイジング〈第11章〉は19年間で74回、毎年2〜7問が出題されており、R07は2問と近年では少なめであった。在庫効率指標のうちGMROIはH21第24問・H24第26問で、交差比率はR06第31問・R02第32問で出題実績がある。第11章は計算問題が必ず混じる章であり、在庫が売価で与えられ原価に換算させる型(H21第24問と同型)は反復出題の中心にある。