この問題は本試験の過去問ではありません。当サイトが出題傾向の分析に基づいて作成したオリジナル問題です。
第8問
論点:経済的発注量と発注方式
在庫管理に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 a 経済的発注量で発注する場合、平均在庫量は経済的発注量の2分の1となる。 b 経済的発注量で発注する場合、年間の発注回数は、経済的発注量を年間需要量で除して求める。 c 定量発注方式の発注点は、調達期間中の平均的な需要量に安全在庫量を加えて求める。 d ダブルビン方式は、需要変動が大きく重点管理を要するA品目に適している。
- ア a:正 b:正 c:正 d:誤
- イ a:正 b:正 c:誤 d:正
- ウ a:正 b:誤 c:正 d:正
- エ a:正 b:誤 c:正 d:誤
- オ a:誤 b:正 c:正 d:誤
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正解:エ
解答:エ
経済的発注量(EOQ)は、発注費用と保管費用の合計が最小になる発注量で、EOQ = √(2 × 年間需要量 × 1回発注費 ÷ 年間単位在庫維持費) で求める。年間総費用は「発注回数 × 発注費 + 平均在庫 × 保管費」=(d ÷ Q)× c +(Q ÷ 2)× h という形で組み立てられており、この式の意味が分かればa・bは即断できる。
- a(正):発注直後の在庫は発注量 Q、使い切った時点でゼロとなり、その間を一定の速さで消費していくため、平均在庫量は Q ÷ 2、すなわち発注量の2分の1となる。EOQ で発注する場合も同様で、記述は正しい。
- b(誤):年間の発注回数は、年間需要量を1回当たりの発注量で割って求める(d ÷ EOQ)。たとえば年間需要量3,600個・EOQ 1,200個なら 3,600 ÷ 1,200 = 3回である。本肢は「経済的発注量 ÷ 年間需要量」と割る向きが逆であり、誤りである。
- c(正):定量発注方式の発注点 = 調達期間(リードタイム)中の平均需要量 + 安全在庫。記述は正しい。
- d(誤):ダブルビン方式は、2つの容器のうち片方が空になったら一定量を発注する、きわめて簡便な定量発注方式であり、金額の小さいC品目に向く。需要変動が大きく重点管理を要するA品目には、毎回需要予測を行う定期発注方式が適しており、逆である。
したがって a:正、b:誤、c:正、d:誤 となる。よって エ。
なぜこの論点を予想したか
過去19年の出題実績を論点別に集計すると、資材・在庫管理〈第5章〉は延べ78回でH19〜R07の19年すべてで出題される生産管理パート屈指の頻出分野(R07も4問)。第5章の対応過去問表では、EOQの性質・増減はR01第10問・H27第11問・R05第11問、発注方式の比較はH24第36問・R02第13問、発注点はH24第10問で出題されており、EOQそのものはR05第11問以降出題されていない。なお、EOQの増減方向(発注費・保管費・安全余裕)はH27第11問とR05第11問で、費用の均衡はR05第11問で問われ済みのため、本問は平均在庫量と発注回数という別の性質から構成した。