経済学・経済政策 R01年度 第21問

第21問

費用便益分析による公共事業の評価基準は、純便益の大きさである。 ある町では、市街地にある老朽化した公共施設のマネジメントとして、市街地か ら郊外へ移転した上で新築する方法と、その場所のままでリフォームする方法を検 討している。なお、現在の公共施設は、市街地に所在することが理由で、近隣に道 路渋滞を発生させている。この道路渋滞は、公共施設が市街地から郊外へ新築移転 することにより解消される。 新築の場合とリフォームの場合の、それぞれの費用や便益などは、下表のとおり とする。ただし、利子率はゼロとする。このとき、費用便益分析によって2 つの方 法を検討した結果として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 新築 リフォーム 便益 1 億円 便益 1 億円 費用 8,000 万円 費用 5,000 万円 渋滞緩和のメリット 4,000 万円 渋滞のデメリット 4,000 万円

  1. 現状のままでよい。
  2. 新築を選ぶのが望ましい。
  3. どちらを選んでも同じである。
  4. リフォームを選ぶのが望ましい。
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正解:

解答:イ

費用便益分析の評価基準は純便益(便益−費用)の大きさ。渋滞という外部性も便益・費用に算入して比較する。

  • 新築(郊外移転):便益1億円+渋滞解消による便益4,000万円=1億4,000万円。費用8,000万円。純便益=1億4,000万円−8,000万円=6,000万円
  • リフォーム(市街地のまま):便益1億円。費用5,000万円。さらに市街地に残るため渋滞のデメリット4,000万円が社会的費用として加わる。純便益=1億円−5,000万円−4,000万円=1,000万円

純便益は新築6,000万円>リフォーム1,000万円であり、いずれも正だが新築の方が大きい。

  • ア(×):現状(何もしない)では純便益の増加は得られず、純便益が正の選択肢がある以上「現状のまま」は望ましくない。
  • イ(○):純便益が最大となる新築(6,000万円)を選ぶのが望ましい。正しい。
  • ウ(×):両者の純便益は6,000万円と1,000万円で異なる。同じではない。
  • エ(×):リフォームの純便益(1,000万円)は新築より小さく、最適ではない。

よって

#市場の失敗・外部性

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