経済学・経済政策 H30年度 第21問

第21問

寡占市場においては、ライバル店の動きを見ながら、価格を設定することが重要 である。下表では寡占市場における価格競争のゲームについて考える。A店とB店 の戦略は、高価格と低価格であるとする。 両者が異なる価格を設定する場合、低価格にした店は、すべての顧客を得て20 の利潤を得ることができるが、高価格を提示した店は顧客を得ることができず、利 潤は0 となる。また、両者が低価格にする場合は、この価格で得られる市場全体の 利潤20 を半分ずつシェアする。さらに両者が高価格にする場合は、市場全体の利 潤は32 となり、各店はそれぞれ16 の利潤を得る。カッコ内の左側がA店の利潤、 右側がB店の利潤を示す。 このゲームに関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 B店の戦略 高価格 低価格 A店の戦略 高価格 (16 , 16) ( 0 , 20) 低価格 (20 , 0) (10 , 10)

  1. このゲームからは、2 つの店が価格競争を行うと互いにメリットがあること が分かる。
  2. このゲームで、A店とB店がともに低価格にする場合、どちらか一方の店が 価格を高価格に変更すると、その店の利潤は減少する。
  3. このゲームでは、A店とB店が異なる価格をつける2 つの場合がナッシュ均 衡である。
  4. このゲームにおけるA店とB店の最適反応は、ともに高価格にする場合であ る。
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正解:

解答:イ

囚人のジレンマ型の価格競争ゲーム。利得表は(高,高)=(16,16)、(高,低)=(0,20)、(低,高)=(20,0)、(低,低)=(10,10)。各店の最適反応を調べると、相手が高価格でも低価格でも自店は「低価格」の方が利得が大きい(相手高なら20>16、相手低なら10>0)。よって両店とも低価格が支配戦略で、ナッシュ均衡は(低価格,低価格)=(10,10)。両者高価格(16,16)より悪い、典型的な囚人のジレンマである。

  • ア(×):価格競争(ともに低価格)の結果は各店10で、協調して高価格にした場合の16より小さい。競争は互いにメリットをもたらさない。
  • イ(○):両店が低価格(10,10)のとき、一方が高価格に変更すると利得は10から0へ下がる。その店の利潤は減少するので正しい(だからこそ低価格から動けず均衡となる)。
  • ウ(×):ナッシュ均衡は(低価格,低価格)の1つ。異なる価格をつける2ケースはナッシュ均衡ではない(高価格側が低価格に変えれば利得が増えるため)。
  • エ(×):両店の支配戦略・最適反応は「低価格」であり、ともに高価格にすることではない。

よって

#不完全競争・ゲーム理論

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