事案の概要データ
| 公表日 | 2026年10月27日 |
|---|---|
| 不正アクセスを受けた日 | 2026年10月19日 |
| 不正アクセスを確認した日 | 2026年10月23日 |
| 漏えい件数の合計 | 2,585,481件 |
| So-net会員情報 | 2,141,986件(現会員 1,869,771件/2026年3月以降の退会者 272,215件) |
| plala(Sコース)会員情報 | 443,495件(現会員 422,365件/2026年3月以降の退会者 21,130件) |
| 漏えいした項目 | 氏名、電話番号、メールアドレス、ユーザーID、生年月日、性別、インターネット接続用ID |
| 会員情報のパスワード | 漏えいなし |
| メールアドレスとそのパスワード | 4サービス計 54,401件(メールサービス(G)24,655件、A-Box 17,672件、ソネットVAIOメール 7,005件、PostPetメールアカウント 5,069件) |
| 口座情報 | 16件(金融機関名・銀行番号・支店名・支店番号・預金種目・口座番号・口座名義人/暗証番号は保有せず) |
| 会員通知書情報 | 7件(パスワード再設定用に発行する通知書) |
| クレジットカード情報 | ①〜⑤のいずれにも含まれない |
| NUROなど他サービス | 漏えいは確認されていない |
| 2026年2月末日までの退会者 | 漏えいなし |
| 原因 | 第三者からの不正アクセス(調査中) |
| 二次被害 | 2026年10月27日時点で確認されていない |
| 問い合わせ窓口 | 特設ダイヤル 0120-36-8887(平日・土曜 10時〜18時) |
| NTTドコモの公表(10月27日) | ドコモ光「plala(Sコース)」利用者と過去6か月以内の解約者 44万3,495件の流出を確認 |
| ドコモ分の位置づけ | So-netの「plala(Sコース)会員情報443,495件」と同じ事案の内数。合算しない |
| ドコモ分で流出した項目 | 氏名、電話番号、メールアドレス(so-net.ne.jpドメイン)、連絡先メールアドレス(登録者のみ)、生年月日、性別、So-netマイページのユーザーID、インターネット接続用ID |
| ドコモ分で含まれない項目 | パスワード情報、クレジットカード情報、金融機関口座情報などの決済関連情報 |
| ドコモの対象外契約 | 「plala(ドコモ光)」「ぷらら光メイト with フレッツ」等 |
| ドコモの問い合わせ窓口 | plala(Sコース)特設ダイヤル 0120-035-700(10時00分〜19時00分、土日祝含む) |
図解:この事故の構造
- So-net 現会員 1,869,771件
- So-net 元会員(2026年3月以降の退会) 272,215件
- plala(Sコース)現会員 422,365件
- plala(Sコース)元会員(2026年3月以降の退会) 21,130件
何が起きたのか
ソニーネットワークコミュニケーションズは2026年10月27日、インターネット接続サービス「So-net」の会員データベースに外部から不正アクセスを受け、個人情報が漏えいしたと公表しました。
不正アクセスを受けたのは10月19日です。同社がそのアクセスを確認したのは10月23日、調査で漏えいの事実と項目・件数を把握したのが10月24日でした。公表は10月27日です。
漏えいが確認された件数は、So-net会員 2,141,986件と、plala(Sコース)会員 443,495件。合計で 2,585,481件になります。
漏えいした情報の中身
So-net会員・plala(Sコース)会員のいずれも、漏えいしたのは氏名、電話番号、メールアドレス、ユーザーID、生年月日、性別、インターネット接続用IDです。会員情報のパスワードは漏えいしていないと説明されています。
一方で、メールアドレスとそのメールアドレスパスワードは漏えいしています。対象は4つのサービスで、合計54,401件です。同社は10月27日にこれらのパスワードを初期化しました。該当する利用者は、マイページから自分で再設定する必要があります。
さらに、口座情報が16件漏えいしています。金融機関名、銀行番号、支店名、支店番号、預金種目、口座番号、口座名義人です。口座の暗証番号は同社が保有していないため、含まれていません。
パスワード再設定用に発行する通知書の情報も7件漏えいし、こちらはパスワードを初期化のうえ個別に連絡するとしています。
クレジットカード情報は、①〜⑤のいずれにも含まれていません。NUROを含む上記以外のサービスについても、漏えいは確認されていないとしています。
NTTドコモも公表、ドコモ光「plala(Sコース)」44万3,495件
同じ2026年10月27日、NTTドコモもこの事案について公表しました。ドコモ光の「plala(Sコース)」を利用中、および過去6か月以内に解約した顧客の情報 44万3,495件の流出を確認した、という内容です。
この44万3,495件は、ソニーネットワークコミュニケーションズが公表した「plala(Sコース)会員情報443,495件」と同じものです。別の事案ではなく、同じ事案を委託元の側から公表したものなので、足し合わせません。
ドコモ側の公表によれば、流出したのは氏名、電話番号、メールアドレス(so-net.ne.jpドメインのもの)、連絡先メールアドレス(登録している人のみ)、生年月日、性別、So-netマイページのユーザーID、インターネット接続用IDです。パスワード、クレジットカード情報、金融機関口座情報などの決済関連情報は含まれていません。
「plala(ドコモ光)」「ぷらら光メイト with フレッツ」など、「plala(Sコース)(ドコモ光)」以外の契約の情報は流出していないとされています。自分がどの契約なのかが分かりにくいため、ドコモは専用ダイヤル(0120-035-700)を設けています。
ドコモがこの事実を確認したのは10月26日です。不正アクセスそのものは10月19日なので、委託元に話が届くまで7日かかっています。
「委託元としての公表」が必要になる
本件は、委託する側・される側の関係を考えるうえで分かりやすい例です。
侵入されたのはソニーネットワークコミュニケーションズのサーバーです。NTTドコモ自身は攻撃を受けていません。
それでも、ドコモは自社名で公表し、自社で問い合わせ窓口を開きました。なぜなら、顧客はドコモと契約しているからです。顧客から見れば「ドコモ光の契約情報が漏れた」のです。
中小企業でも同じことが起こります。顧客管理を外部サービスに任せている、受注システムを外注している、メール配信を委託している。その先で事故が起きたとき、謝るのは自社です。
そのときに必要になるのは、次の3つです。
1. 自社の顧客のうち、誰が対象かを特定できること。 委託先から「○○件が対象」と言われても、自社の名簿と突き合わせられなければ連絡できません。
2. 問い合わせを受ける窓口。 電話が鳴ります。誰が出て、何を答えるかを決めておきます。
3. 自社名での説明文。 委託先の発表をそのまま転載するだけでは足りません。「当社のサービスでは何が対象か」を、自社の言葉で書く必要があります。
この3つを、事故が起きてから準備すると数日かかります。その数日が、顧客の不安を広げます。
「2026年3月以降の退会者」が含まれている意味
今回の件数には、現在の会員だけでなく、2026年3月以降に退会した人も含まれています。So-netで272,215件、plala(Sコース)で21,130件です。
逆に、2026年2月末日までに退会した人の漏えいはない、とされています。つまり、退会してから一定期間はデータが残っていて、それを過ぎると消される運用になっていたことがうかがえます。
これは中小企業にとって、そのまま当てはまる話です。退会・解約したお客様のデータを、いつまで持っているかを決めていますか。
顧客データは、持っていれば持っているだけ漏えいしたときの件数が増えます。「いつか使うかもしれない」で残している退会者リストは、事故のときに被害を大きくするだけの在庫です。
ソニーの場合は「2月末日まで退会分は対象外」と言えました。これは、保存期間を決めて実際に消していたからです。もし何年分も残していれば、件数は何倍にもなっていたはずです。
侵入から確認まで4日、公表まで8日
時系列を並べると、10月19日に不正アクセスを受け、10月23日に確認、10月24日に漏えいと件数を把握、10月27日に公表です。
侵入されてから気づくまで4日間かかっています。その間、攻撃者はデータベースにアクセスできる状態でした。
ただし、確認してからの動きは速いです。確認後すぐに対象サーバーを停止し、不正アクセス元からの通信を遮断。翌日に件数を把握し、3日後に公表しています。メールアドレスパスワードの初期化も公表と同じ10月27日に実施済みです。
「4日気づかなかった」ことは課題ですが、「気づいてから4日で件数を確定させて公表した」ことは評価できる対応です。多くの事案では、件数の確定に数週間かかります。
利用者が今やること
So-netまたはplala(Sコース)を使っている方、2026年3月以降に退会した方は、次の対応をしてください。
1. メールアドレスパスワードを再設定する。 4サービス(メールサービス(G)/A-Box/ソネットVAIOメール/PostPetメールアカウント)の利用者は、パスワードが初期化されているため、マイページから再設定が必要です。
2. 同じパスワードを他のサービスで使っていたら、そちらも変える。 メールのパスワードが漏れています。同じものを通販サイトや銀行で使っていれば、そこも危険です。
3. 不審なメール・SMS・電話に応じない。 氏名、電話番号、生年月日、メールアドレスがそろって漏れています。この組み合わせがあると、本人になりすました電話や、本物らしく見えるフィッシングメールが作れます。
同社も、メール・SMS・電話に応答しない、本文のリンクを開かない、添付ファイルを開かない、と呼びかけています。
中小企業が学べること
この事案から、自社に持ち帰れる点は3つあります。
1つ目は、顧客データの保存期間を決めること。 退会・解約から何か月でデータを消すかを決め、実際に消します。残っていなければ漏れません。
2つ目は、メールのパスワードを他で使い回さないよう案内すること。 自社がメールアドレスを配っているなら(独自ドメインのメールなど)、同じ話が起きます。
3つ目は、侵入に気づく仕組みを持つこと。 今回は4日間気づけませんでした。サーバーのアクセスログを見る習慣、通常と違う通信を知らせる仕組みがなければ、数か月気づけないこともあります。
「見ていない監視」は監視ではありません。誰が、いつ、何を見るのかを決めてください。
時系列で見る経過
- 2026年10月19日(月)So-net会員データベースに対して外部から不正アクセスを受ける
- 2026年10月23日(金)不正アクセスがあったことを確認。対象サーバーを停止し、不正アクセス元からの通信を遮断
- 2026年10月24日(土)調査により個人情報の漏えいを確認し、項目と件数を把握
- 2026年10月27日(火)メールアドレスパスワード(54,401件)を初期化
- 2026年10月26日(月)NTTドコモがソニーネットワークコミュニケーションズから報告を受け、ドコモ光「plala(Sコース)」44万3,495件の流出を確認
- 2026年10月27日(火)漏えい 2,585,481件を公表。個人情報保護委員会にも報告し、原因・影響範囲の調査を継続
- 2026年10月27日(火)NTTドコモが委託元として公表し、専用ダイヤルを設置
中小企業が学ぶべきポイント
- 退会・解約した顧客のデータは、保存期間を決めて実際に消す。残っていなければ漏れない。
- 本件は2026年2月末日までの退会者が対象外だった。保存期間を運用していたことで件数が抑えられた。
- メールのパスワードが漏れたら、同じパスワードを使っている他サービスも危険になる。
- 氏名・電話番号・生年月日・メールアドレスがそろうと、なりすまし電話やフィッシングの精度が上がる。
- 侵入から確認まで4日かかった。ログを「見る人と頻度」を決めていなければ、もっと長くなる。
- 確認後は速い対応だった。サーバー停止、件数確定、パスワード初期化を4日以内に実施している。
- 委託先が侵入されても、顧客から見れば自社の事故。自社名での公表と窓口が必要になる。
- 委託元として公表するには、自社の名簿と突き合わせて対象者を特定できる状態が要る。
- 本件は不正アクセスから委託元への報告まで7日かかっている(10月19日→10月26日)。
出典・参考
- So-net会員データベースへの不正アクセスに伴う情報漏洩に関するお詫びとお知らせ - ソニーネットワークコミュニケーションズ
- 【お詫び】ドコモ光「plala(Sコース)」をご利用のお客さま情報流出に関するお知らせ - NTTドコモ
- 情報漏洩・不正アクセスの企業一覧(随時更新) - SmartScope
本記事は、各組織の公表資料および報道をもとに、要点をわかりやすく整理したものです。 被害件数は「漏えいした可能性のある最大件数」として公表されている場合があり、実際に漏えいが確定した件数とは異なることがあります。 また、調査の進展により内容が変わる場合があります。正確な情報は必ず出典元の公式発表をご確認ください。