2026年10月22日 公表 設定・運用ミス 解決済み 影響度:中

新潟市、黒塗り処理の不備で要配慮個人情報を含む32名分を誤公開

対象組織:新潟市 / 規模:対象32名(漏えい先2名)
// WHAT HAPPENED

黒塗り処理が不十分だった文書を公開し、32名分の情報が見える状態になりました。要配慮個人情報を含みます。実際に閲覧されたのは2名分とされています。

事案の概要データ

公表日2026年10月22日
原因黒塗り(マスキング)処理の不備
対象32名
実際の漏えい先2名
含まれる情報要配慮個人情報を含む
状態公開を停止・是正済み

図解:この事故の構造

図:黒塗りは「見た目」ではなく「文字データの削除」で行う。重ねただけでは透ける。
正しい黒塗り
墨消し機能で文字データ自体を削除してから黒く塗る。または黒塗り後に画像化する。コピーしても文字は出てこない。
よくある失敗(本件もこの類型)
PDF上に黒い四角形を図形として重ねただけ。見た目は黒いが下の文字データは残っており、範囲選択してコピーすれば読める。

何が起きたのか

新潟市は2026年10月22日、黒塗り処理が不十分だった文書を公開していたことを公表しました。対象は32名分で、要配慮個人情報を含みます。実際に閲覧されたのは2名分とされています。

公開は停止され、是正されています。外部からの侵入ではなく、自組織の処理のミスによる事案です。

「黒塗りが透ける」という定番の失敗

PDFや画像の黒塗りには、落とし穴があります。

最も多いのが、PDF上に黒い四角形を「図形として重ねただけ」のケースです。見た目は黒く塗られていますが、下の文字データはそのまま残っています。図形を選択して動かすか、テキストをコピーすれば読めてしまいます。

Wordで黒い塗りを入れてPDFに書き出した場合も同様です。文字が消えたわけではなく、上に色が乗っているだけです。

正しい方法は、文字データそのものを削除することです。Adobe Acrobatの「墨消し」機能(Redaction)は、文字データを削除してから黒く塗ります。これなら復元できません。

最も確実な方法は、黒塗りした状態を一度画像にしてからPDFにすることです。画像になれば、下にあった文字データは存在しません。ただしテキスト検索はできなくなります。

要配慮個人情報を含むという重さ

本件には要配慮個人情報が含まれています。個人情報保護法で定められた、特に慎重な扱いが必要な情報です。病歴、障害、犯罪歴、人種、信条、社会的身分などが該当します。

黒塗りをするのは、まさにこうした情報を隠すためです。その処理が不十分だったということは、最も隠すべき情報が見える状態になったことを意味します。

対象32名のうち実際に閲覧されたのは2名分とされていますが、要配慮個人情報が1件でも第三者に見られたことは重大です。

2026年10月は設定・処理のミスによる事案が多くありました。10月8日のアイセイ薬局(Googleフォームの設定不備)、10月12日のあっぷらぼ(公開設定の不備)です。侵入されていなくても、情報は漏れます。

公開前チェックの作り方

黒塗りした文書を公開する前の確認手順を決めておくと、この種のミスは防げます。

1つ目:PDFを開き、黒塗り部分をマウスで範囲選択してコピーし、メモ帳などに貼り付ける。文字が出てきたら処理が不十分です。

2つ目:PDFの検索機能で、隠したはずの氏名や語句を検索する。ヒットしたら残っています。

3つ目:作成者とは別の人が確認する。作った本人は「塗ったつもり」で見落とします。

中小企業でも、見積書の他社情報を隠して提出する、契約書の一部を伏せて共有する——同じ場面があります。上記3つの確認は、数分で終わります。

時系列で見る経過

✅

解決までの道のり

公開を停止し、黒塗り処理を是正。実際に閲覧されたのは2名分と特定された。

対応の流れ

  • 2026年10月黒塗り処理の不備が判明
  • 2026年10月該当文書の公開を停止
  • 2026年10月黒塗り処理を是正
  • 2026年10月22日対象32名・実際の漏えい先2名として公表

解決できたポイント/残った課題

  • 外部からの侵入ではなく、自組織の処理ミスによる事案だった
  • 公開停止と是正は実施済み
  • 要配慮個人情報を含むため、閲覧されたのが2名分でも重大

中小企業が学ぶべきポイント

  1. PDFに黒い四角を重ねただけでは文字データが残る。コピーすれば読めてしまう。
  2. Acrobatの「墨消し」機能を使う。文字データを削除してから黒く塗る。
  3. 最も確実なのは、黒塗り後に一度画像化してからPDFにする方法。
  4. 公開前に、黒塗り部分をコピーして貼り付けてみる。文字が出たら不十分。
  5. 作成者とは別の人が確認する。作った本人は見落とす。

出典・参考

ご注意
本記事は、各組織の公表資料および報道をもとに、要点をわかりやすく整理したものです。 被害件数は「漏えいした可能性のある最大件数」として公表されている場合があり、実際に漏えいが確定した件数とは異なることがあります。 また、調査の進展により内容が変わる場合があります。正確な情報は必ず出典元の公式発表をご確認ください。

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