事案の概要データ
| 公表日 | 2026年10月8日 |
|---|---|
| 対象 | 「BiZiMo光」等のマイページ |
| 不正ログイン | 38,509件(契約単位であり、顧客人数ではない) |
| 手口 | 第三者が営業電話で顧客からログイン情報を聞き出し、なりすましてログイン |
| その他の可能性 | 別経路で認証情報を得た可能性も調査中 |
| システムへの侵入 | 確認されていない |
図解:この事故の構造
何が起きたのか
ハイホーは2026年10月8日、「BiZiMo光」などのマイページに対する不正ログインが38,509件(契約単位)確認されたことを公表しました。
特徴的なのは手口です。第三者が営業電話をかけ、顧客からログイン情報を聞き出したうえで、本人になりすましてマイページにログインしていたとされています。別の経路で認証情報を得た可能性についても調査が続いています。
同社のシステムそのものへの侵入は確認されていません。
技術ではなく「人」を狙う攻撃
この事案には、脆弱性もマルウェアも登場しません。電話で聞き出す——それだけです。こうした手口を「ソーシャルエンジニアリング」と呼びます。
どれだけファイアウォールを固めても、利用者本人が自らIDとパスワードを教えてしまえば、攻撃は成立します。しかも、本人が正しい情報を入力しているため、システムから見れば完全に正常なログインです。不正ログインとして検知することが極めて困難になります。
通信回線の契約は、乗り換え勧誘の電話が日常的にかかってくる分野です。「乗り換えの手続きに必要です」「現在の契約内容を確認します」と言われれば、応じてしまう人がいても不思議ではありません。
伝えるべきことは1つだけ
この種の被害を防ぐために、事業者が顧客に伝えるべきことはシンプルです。
「当社から電話でID・パスワードをお聞きすることは一切ありません」
これを契約時、請求書、マイページ、公式サイトのわかりやすい場所に繰り返し書いておく。それだけで、顧客が「おかしい」と気づける確率が大きく上がります。
中小企業でも、取引先や顧客に対して同じ宣言をしておく価値があります。「当社が電話で口座番号やパスワードを聞くことはありません」と明示しておけば、自社をかたる詐欺の成功率を下げられます。
そして従業員向けには、逆の訓練も必要です。「取引先を名乗る電話で、パスワードやシステムの情報を聞かれたら答えない」というルールを、具体的な想定問答つきで共有しておくことが有効です。
時系列で見る経過
- (時期不明)第三者が営業電話で顧客からログイン情報を聞き出す
- (時期不明)聞き出した情報で、本人になりすましてマイページへログイン
- 2026年10月不正ログインを検知し、調査を開始
- 2026年10月8日38,509件(契約単位)の不正ログインを公表。別経路の可能性も調査中と説明
中小企業が学ぶべきポイント
- 「当社から電話でID・パスワードをお聞きすることはありません」と繰り返し明示する。
- ソーシャルエンジニアリングは技術では防げない。周知と教育が唯一の対策。
- 本人が正しく入力したログインは、システムからは正常に見える。検知は困難。
- 従業員にも「電話でパスワードやシステム情報を聞かれても答えない」訓練をする。
- 多要素認証があれば、パスワードを教えてしまってもログインを防げる可能性がある。
出典・参考
本記事は、各組織の公表資料および報道をもとに、要点をわかりやすく整理したものです。 被害件数は「漏えいした可能性のある最大件数」として公表されている場合があり、実際に漏えいが確定した件数とは異なることがあります。 また、調査の進展により内容が変わる場合があります。正確な情報は必ず出典元の公式発表をご確認ください。