事案の概要データ
| 公表日 | 2026年11月5日 |
|---|---|
| 対象サービス | ドコモオンラインショップ、My docomo |
| 件数 | 最大約30万件 |
| 漏えいした情報 | 氏名、住所、生年月日、携帯電話番号、連絡先電話番号など(詳細は調査中) |
| 対象者の傾向 | 地域や料金プランなどの共通点はないと説明 |
| 緊急メンテナンス | 2026年11月5日午前1時5分ごろから各種サービスを停止。復旧見込みは立っていない |
| 漏えいの時期 | 緊急メンテナンス以前の不正アクセスによるもの。メンテナンス後の新たな流出は確認されていない |
| 原因・侵入経路 | 調査中 |
| 対象者への連絡 | 詳細が判明次第、対象の利用者に連絡予定 |
| 注意喚起 | ドコモや関係者を装う不審なメール・SMS・電話に注意。本文のURLを開かず、個人情報やパスワード、カード情報を入力しないよう呼びかけ |
図解:この事故の構造
何が起きたのか
NTTドコモは2026年11月5日、外部からの不正アクセスにより一部利用者の個人情報が漏えいしたと明らかにしました。
流出した情報は氏名、住所、生年月日、携帯電話番号、連絡先電話番号などで、最大約30万件。詳細は調査中で、判明次第、対象の利用者に連絡するとしています。漏えいした利用者には、地域や料金プランなどの共通点はないと説明されています。
ドコモは、ドコモオンラインショップとMy docomoで不正アクセスが発生したことを受け、11月5日午前1時5分ごろから各種サービスを停止し、緊急メンテナンスを実施しました。情報漏えいは緊急メンテナンス以前の不正アクセスによるもので、その後の新たな流出は確認されていないとされています。
復旧見込みは立っておらず、原因や侵入経路の調査が続いています。
深夜1時にサービスを止めたという判断
本件で記録しておきたいのは、午前1時5分ごろにサービスを止めたことです。
ドコモオンラインショップとMy docomoは、国内で最も利用者の多いオンラインサービスの一つです。止めれば、申し込みも料金確認もできなくなります。それでも止めました。
本サイトでは2026年10月のプレステージ・インターナショナルの事案も扱いましたが、あちらは認証情報を無効化しても侵入が止まらず、翌日にシステムを停止という経緯でした。止める判断が1日遅れたぶん、その間の持ち出しが続いています。
「止める」は、最も効果が確実な対応です。 そして最も決断が難しい対応でもあります。売上が止まり、顧客の不便が発生し、社内から反対が出ます。
だから、事故が起きてから考えてはいけません。 平時に決めておくことは3つです。
①誰が止める判断をするか。 社長が不在の深夜でも判断できる人を決めておく。
②どこまで止めるか。 全部か、申し込みだけか、決済だけか。段階を決めておく。
③止めたことをどう知らせるか。 サイトに出す文、電話の自動音声、SNS。文面を用意しておく。
中小企業でも同じです。受注サイトが攻撃されたとき、深夜に止める判断ができますか。「朝まで様子を見る」という選択が、件数を増やします。
「共通点はない」が意味すること
公表のなかに、短いけれど重要な一文があります。「漏えいした情報に、利用者の地域や料金プランなど、共通点はない」。
これは、攻撃者が特定の層を狙って抜き出したのではなく、データベースの一部をまとめて持ち出した可能性を示します。「東京都の○○プランの人だけ」のような偏りがないということです。
利用者としては、どう受け止めればよいか。「自分は関係なさそう」と判断する材料がないということです。長年使っている人も、最近申し込んだ人も、対象になり得ます。
やるべきことは、本サイトで繰り返しているとおりです。
①ドコモを名乗るメール・SMS・電話のリンクや折り返しを使わない。 My docomoはアプリかブックマークから入る。
②「料金の未払い」「本人確認」「ポイントの失効」を名乗る連絡を疑う。 氏名・住所・生年月日まで漏れているため、相手が本人の情報を言い当ててきます。
③ドコモ払い(キャリア決済)の利用履歴を確認する。
そして企業側の教訓です。「共通点はない」のように、分かっていないことまで含めて書くと、公表文の信頼性が上がります。 「一部のお客様」とだけ書く公表文より、はるかに親切です。
時系列で見る経過
- (時期は調査中)ドコモオンラインショップ・My docomoに外部からの不正アクセス
- 2026年11月5日 午前1時5分ごろ不正アクセスの発生を受けて各種サービスを停止し、緊急メンテナンスを開始
- 2026年11月5日最大約30万件の個人情報漏えいを明らかにする。復旧見込みは立たず、原因・侵入経路は調査中
- (今後)詳細が判明次第、対象の利用者へ連絡予定
中小企業が学ぶべきポイント
- 午前1時5分ごろにサービスを止めた。「止める」は最も効果が確実で、最も決断が難しい対応。
- 止める判断は平時に決めておく。誰が判断するか、どこまで止めるか、どう知らせるか。
- 「朝まで様子を見る」という選択が、持ち出し件数を増やす。
- 「地域や料金プランに共通点はない」は、データの一部がまとめて持ち出された可能性を示す。
- 共通点がないなら、利用者は「自分は関係なさそう」と判断できない。全員が注意する側に回る。
- 氏名・住所・生年月日まで漏れているため、相手が本人の情報を言い当てる詐欺が成立しやすい。
- 分かっていないことまで書くと、公表文の信頼性が上がる。「一部のお客様」だけでは足りない。
出典・参考
本記事は、各組織の公表資料および報道をもとに、要点をわかりやすく整理したものです。 被害件数は「漏えいした可能性のある最大件数」として公表されている場合があり、実際に漏えいが確定した件数とは異なることがあります。 また、調査の進展により内容が変わる場合があります。正確な情報は必ず出典元の公式発表をご確認ください。