事案の概要データ
| 初報 | 2026年10月14日 |
|---|---|
| 第1報 | 2026年10月19日 |
| 第2報 | 2026年10月22日 |
| 侵入期間 | 2026年7月11日〜10月6日(約3か月) |
| 会員 | 最大約98,256名(利用中 約71,456名・退会 約26,800名) |
| 本人確認書類画像 | 最大7,261名 |
| 会員登録途中で離脱 | 最大約10,223名 |
| 問い合わせ(会員以外) | 最大1,364件 |
| 第2報の追加 | 2025年11月30日以前の提出分等の縮小画像 最大32,916名分も残っていた |
| クレジットカード情報 | 対象外 |
| 注意 | 区分ごとに数え方が異なり、合算できない |
図解:この事故の構造
- 2026年7月11日自社サーバーへの侵入が始まる
- ↓ 約3か月 継続
- 2026年10月6日侵入が確認された最後の時期
- 10月14日初報を公表
- 10月19日第1報を公表
- 10月22日第2報。削除済みと思われていた縮小画像 最大32,916名分も対象と判明
何が起きたのか
キャリーは2026年10月14日に初報、19日に第1報、22日に第2報を公表しました。マッチングサイト「Lili」の自社サーバーに、2026年7月11日から10月6日まで約3か月にわたって第三者が侵入していたというものです。
対象は、会員が最大約98,256名(利用中 約71,456名・退会 約26,800名)、本人確認書類の画像が最大7,261名、会員登録途中で離脱した方が最大約10,223名、会員以外からの問い合わせが最大1,364件です。これらは数え方が異なるため合算できません。
第2報では、2025年11月30日以前の提出分等の縮小画像 最大32,916名分も残っていたことが追加されました。クレジットカード情報は対象外です。
「削除したはずの縮小画像」が残っていた
第2報で追加された内容が重要です。2025年11月30日以前に提出された本人確認書類について、縮小画像が残っていました。
本人確認が済めば、提出された書類の画像は不要になります。多くのサービスは、確認後に削除する運用を取っています。しかし「元の画像は消したが、処理の途中で作られた縮小版(サムネイル)は残っていた」というケースがあります。
2026年10月16日のスカイチケットでも、カード情報を自社保管しない方式へ移行した際に、過去の会費支払いログが削除されずに残っていました。「消したつもりで残っている」場所は、ログ、バックアップ、キャッシュ、一時ファイル、サムネイルなど数多くあります。
自社がデータを削除する運用を持っている場合、「本当にすべて消えているか」を実際に確認する価値があります。
マッチングサイトという対象
マッチングサイトの会員情報は、極めて機微です。利用している事実そのものが、本人にとって知られたくない場合があります。
そこに本人確認書類の画像が加わります。運転免許証やマイナンバーカードの画像には、氏名・住所・生年月日・顔写真が揃っています。変更できない情報です。
2026年9月のタイムズカー(本人確認書類 約160万件)、10月7日のエイチ・アイ・エス(旅券 最大627人分)と、本人確認書類の流出が続いています。
退会済みの会員 約26,800名が含まれている点にも注意が必要です。サービスを辞めた後も、データは残っていました。
約3か月の侵入
7月11日から10月6日まで、約3か月にわたって侵入されていました。
2026年の事案では、長期の侵入が繰り返されました。10月21日のデジタルアーツ(2025年7月に遡る痕跡)、9月のさくらインターネット(約3年間)、4月の村田製作所(約1年)です。
長期化を防ぐには、「入られた後に気づく仕組み」が必要です。ログを取り、定期的に見る。異常なデータの持ち出しを検知する。完璧な仕組みがなくても、見る習慣があることに意味があります。
時系列で見る経過
- 2026年7月11日自社サーバーへの第三者の侵入が始まる
- 2026年7月11日〜10月6日約3か月にわたり侵入が継続
- 2026年10月14日初報を公表
- 2026年10月19日第1報を公表
- 2026年10月22日第2報。2025年11月30日以前の提出分等の縮小画像 最大32,916名分も残っていたと追加
中小企業が学ぶべきポイント
- 「削除したつもり」で残る場所がある。ログ・バックアップ・キャッシュ・サムネイル。
- 本人確認書類は確認後に削除する。保持するなら暗号化し、保存期間を区切る。
- 退会した会員のデータが残っていないか確認する。退会処理が表示を消すだけになっていないか。
- 約3か月の侵入。「入られた後に気づく仕組み」がないと長期化する。
- 利用している事実自体が機微なサービスは、漏えい時の影響が通常より重い。
出典・参考
本記事は、各組織の公表資料および報道をもとに、要点をわかりやすく整理したものです。 被害件数は「漏えいした可能性のある最大件数」として公表されている場合があり、実際に漏えいが確定した件数とは異なることがあります。 また、調査の進展により内容が変わる場合があります。正確な情報は必ず出典元の公式発表をご確認ください。