事案の概要データ
| 公表日 | 2026年10月22日(適時開示) |
|---|---|
| 痕跡の発見 | 2026年10月19日 |
| 漏えいの確認 | 2026年10月20日 |
| 対象件数 | 全世界合計 11,774,247件 |
| 漏えい項目 | メールアドレス、アカウント作成日時、最終ログイン情報など |
| 生年月日等も対象 | 43件 |
| パスワードの不正変更 | 196件 |
| 利用者が設定したパスワード | 漏えいは確認されていないと説明 |
| クレジットカード情報 | 対象外 |
| 侵入手口 | 未公表 |
図解:この事故の構造
- メールアドレス・アカウント作成日時・最終ログイン情報など 大半
- 生年月日等も対象 43件
- パスワードが不正に変更された 196件(アカウントを奪われた状態)
何が起きたのか
カプコンは2026年10月22日、オンライン会員サービス「CAPCOM ID」への第三者による不正アクセスを適時開示で公表しました。2026年10月19日に痕跡を発見し、20日に漏えいを確認しています。
対象件数は全世界合計で11,774,247件。漏えい項目はメールアドレス、アカウント作成日時、最終ログイン情報などです。うち43件では生年月日等も対象となっています。
そして196件では、ログインパスワードが不正に変更されていました。利用者自身が設定したパスワードについては漏えいが確認されていないと説明され、クレジットカード情報は対象外とされています。
「パスワードが変更された196件」の意味
この事案で最も重いのは、196件でパスワードが不正に変更されたという事実です。
情報が漏れただけなら、利用者はパスワードを変えて自衛できます。しかしパスワードを変更されてしまえば、本人がログインできなくなります。アカウントを奪われた状態です。
ゲームのアカウントには、購入したソフトやダウンロードコンテンツ、セーブデータ、フレンドとのつながりが紐づいています。長年積み上げたものが、本人の手を離れることになります。
2026年10月の事案のなかで、実際に利用者の資産が動かされたのは、10月20日の岩井コスモ証券(7口座で意図しない注文)と本件くらいです。「漏えいした可能性」で終わらなかった、数少ないケースです。
CAPCOM IDを使っている方は、ログインできるか確認してください。できない場合は、同社の案内に従って復旧手続きを行う必要があります。
「全世界合計」という数え方
公表された11,774,247件は、全世界合計の件数です。日本国内の内訳は示されていません。
グローバルに展開するサービスでは、世界全体の件数で公表されることがあります。2026年10月21日のPingCAP Japanは逆に、国内分(最大約5万件)を切り出して公表しました。
どちらが正しいということではありませんが、読む側は「この数字は何の範囲か」を確認する必要があります。
なお、2020年にもカプコンはランサムウェア被害を公表しています。同じ企業で複数の事案が起きること自体は珍しくありませんが、今回は手口も規模も異なります。
ゲーム会員サービスが狙われる理由
ゲームのアカウントは、転売の対象になります。レアなアイテムや進行度の高いデータを持つアカウントには、実際に取引の需要があります。
また、登録されているメールアドレスは「ゲームをする人のリスト」として価値があります。新作の案内やキャンペーンを装ったフィッシングメールを送れば、開封率は高くなります。
対象となった方は、カプコンを装ったメール——「アカウントに異常が検出されました」「限定コンテンツのご案内」といった内容——に警戒してください。公式アプリやブックマークからログインし、メールのリンクは使わないことが基本です。
時系列で見る経過
- 2026年10月19日不正アクセスの痕跡を発見
- 2026年10月20日情報の漏えいを確認
- 2026年10月22日適時開示で公表。全世界合計11,774,247件が対象、196件でパスワードの不正変更を確認
中小企業が学ぶべきポイント
- パスワードを変更されると、本人がログインできなくなる。情報漏えいより重い被害になりうる。
- ゲームアカウントは転売の対象になる。長年の積み上げが失われる。
- 「全世界合計」なのか「国内分」なのか、公表された件数の範囲を確認する。
- 多要素認証を設定できるサービスでは必ず有効にする。パスワード変更を防げる。
- メールのリンクからログインしない。公式アプリかブックマークから開く。
出典・参考
- カプコン、1177万件漏えい 不正アクセスで - ITmedia NEWS
- カプコンのオンラインサービスで約1177万件のユーザー情報漏えい、パスワードの不正な変更も - INTERNET Watch
- 情報漏洩・不正アクセスの企業一覧(随時更新) - SmartScope
本記事は、各組織の公表資料および報道をもとに、要点をわかりやすく整理したものです。 被害件数は「漏えいした可能性のある最大件数」として公表されている場合があり、実際に漏えいが確定した件数とは異なることがあります。 また、調査の進展により内容が変わる場合があります。正確な情報は必ず出典元の公式発表をご確認ください。