川崎市7区の人口と人口密度

どの区に何人住んでいるか。そして、どれだけ「詰まっている」か。

このページの要点

① 人口がいちばん多いのは中原区(27.0万人)。いちばん少ない幸区(17.6万人)との差は9.4万人。7区は20万人前後にほどよく分かれていますが、上下の幅は1.5倍あります。

② 密度でみると差は3.1倍に開く。中原区は1km²あたり18,303人、川崎区は5,915人。人口が同じくらいでも、暮らしの風景はまったく違います。

③ 面積の4割弱は川崎区。市の総面積142.96km²のうち39.49km²(27.6%)が川崎区です。臨海部の埋立地と工業地帯を抱えるため、住宅地としての密度は低くなります。

区別の人口

7区の人口(2025年)

令和7年国勢調査 速報集計/人口の多い順

読み方:最大の中原区(27.0万人)と最小の幸区(17.6万人)の差は1.5倍。7つの区がいずれも17万〜27万人の帯に収まっており、突出して大きい区・小さい区がないのが川崎市の特徴です。政令指定都市のなかには人口が10倍近く違う区を抱える市もあるので、これはかなりバランスのよい構成といえます。

出典:総務省「令和7年国勢調査 速報集計」をもとに作成

区別の人口密度

7区の人口密度(2025年)

2025年人口 ÷ 2024年総面積/点線は市平均(10,920人/km²)

読み方:人口では最大と最小が1.5倍でしたが、密度では3.1倍に開きます。中原区(18,303人/km²)と幸区(17,569人/km²)が突出し、川崎区(5,915人/km²)と麻生区(7,737人/km²)が低い。
密度が高い区は駅を中心にマンションが集中し、低い区は工業地(川崎区)や丘陵の戸建て住宅地(麻生区)が広がります。ビジネスへの示唆:チラシのポスティング効率、移動時間あたりの訪問件数、宅配の配送密度——現場のコストは人口より密度で決まります。同じ「1万人商圏」でも、中原区と川崎区では必要な移動距離がまるで違います。

出典:総務省「令和7年国勢調査 速報集計」/「社会・人口統計体系(B 自然環境)」をもとに作成

面積と人口の関係

横軸が面積(km²)、縦軸が人口(人)。斜めの点線は市平均の密度

読み方:点線より上にある区は市平均より密度が高く、下にある区は低い区です。右下にぽつんと離れているのが川崎区で、面積は7区で最大(39.49km²)なのに人口は4位。臨海部の工業地帯と埋立地が面積を押し上げているためです。
左上に寄っているのが幸区で、面積は最小(10.01km²)ながら人口は17.6万人。新川崎・鹿島田周辺の再開発が効いています。

出典:総務省「令和7年国勢調査 速報集計」/「社会・人口統計体系(B 自然環境)」をもとに作成

7区の一覧表

区人口(2025年)面積(km²)人口密度(人/km²)市に占める人口割合市に占める面積割合

出典:総務省「令和7年国勢調査 速報集計」/「社会・人口統計体系(B 自然環境)」をもとに作成。面積は2024年の値です。

解説:密度で見ると、川崎は別の顔になる

人口では1.5倍、密度では3.1倍

川崎市の7区は、人口だけを並べるとよく似ています。最大の中原区が26万9,779人、最小の幸区が17万5,868人。差は1.5倍で、7区すべてが17万〜27万人の帯に収まります。政令指定都市には人口が10倍近く違う区を抱える市もあることを考えると、これはかなり整った構成です。

ところが人口密度で並べ直すと、風景が変わります。中原区は1km²あたり1万8,303人。川崎区は5,915人。その差は3.1倍です。同じくらいの人数が住んでいても、その人たちがどれだけの広さに散らばっているかは、まったく違います。

なぜ川崎区は密度が低いのか

川崎区の面積は39.49km²で、7区のなかで飛び抜けて広い。市の総面積142.96km²の27.6%、つまり4分の1以上を占めています。ただしその多くは臨海部の埋立地と重化学工業のコンビナートで、人が住むエリアではありません。分母だけが大きくなるため、密度は低く出ます。

逆にいえば、川崎区の「住んでいるエリア」に限れば、実際の体感密度はもっと高いはずです。可住地面積あたりで計算し直すと数字は変わりますが、いずれにせよ「川崎区は広く、人が住むのはその一部」という構造は変わりません。

幸区の効率のよさ

対照的なのが幸区です。面積は10.01km²で7区最小。市全体のわずか7.0%しかありません。それでいて人口は17万5,868人(市の11.3%)を抱えます。密度は1万7,569人/km²で、中原区に次ぐ2位です。

新川崎・鹿島田エリアの再開発、そして川崎駅西口へのアクセスのよさが、限られた面積に人を集めています。狭い土地を効率よく使っている区、といえます。

密度は、現場のコストを決める

中小企業の実務で人口密度が効いてくる場面は、思っているより多いはずです。

1. ポスティング・チラシ配布——同じ1万世帯に配るのに、密度が3倍違えば移動距離も3倍近く変わります。単価を同じにして受注すると、川崎区のほうは赤字になりかねません。

2. 訪問営業・点検・修理——1日に回れる件数は密度でほぼ決まります。エリア担当を人口だけで割り振ると、低密度エリアの担当者だけが疲弊します。

3. 宅配・ラストワンマイル——配送効率は密度に強く依存します。密度の高い中原区・幸区は、宅配やフードデリバリーのようなビジネスが成立しやすいエリアです。

4. 店舗の商圏設計——「半径1km以内に何人いるか」は密度そのものです。中原区で半径1kmなら約5.7万人が入りますが、川崎区では約1.9万人。同じ半径でも商圏人口が3倍違います。

まとめ

「川崎市の人口は156万人」という数字は、事業計画の入口としては正しいものです。しかし現場のオペレーションを設計する段階では、人口より密度を見たほうが実態に合います。7区のなかで3.1倍の開きがあるという事実は、エリアごとに単価や人員配置を変える十分な根拠になります。

区ごとの人口の増え方については「人口の推移(1980年〜)」のページで、年齢構成の違いについては「人口ピラミッド」のページで扱っています。